生命保険受取人を事件2カ月前に無断変更か 大阪・高槻女性殺害

大阪府高槻市の民家で2021年7月、資産家だった住人の高井直子さん(当時54歳)が浴槽で溺死した事件で、大阪府警捜査1課は25日、高井さんの養子で無職の凜容疑者(28)=川崎市高津区=を殺人や詐欺未遂などの疑いで再逮捕した。凜容疑者は事件の約2カ月前、高井さんにかかっていた約1億5000万円の生命保険のうち約5000万円について、高井さんの同意を得ず受取人を自身に変更した疑いがある。
府警によると、凜容疑者は全ての容疑の認否について「黙秘します」と話しているという。高井さんの預貯金など約1億円の相続も明らかになっており、府警は凜容疑者が保険金や遺産を狙っていたとみて詳しい動機の解明を進める。
高井さんは都市銀行のグループ会社で働き、1人暮らしだった。亡くなる5カ月前に凜容疑者と養子縁組を結んでいた。
逮捕容疑は21年7月22日午後、高井さんを自宅の浴槽に沈めて殺害したとしている。高井さんは4日後、浴槽の水に顔がつかった状態で親族に発見された。両手首には結束バンドで縛られた痕も残されていた。
21年5月には、凜容疑者は高井さんが契約していた保険会社から書面を自身で取り寄せ、約5000万円の保険金について、受取人を高井さんの母親から自身に無断で変更。高井さんの死亡後に保険金を請求してだまし取ろうとした疑いも持たれている。
残りの約1億円は高井さんの死亡後に受取人が変更されており、府警はこの経緯も調べている。保険金はいずれも支払いが停止されている。
捜査関係者によると、凜容疑者は逮捕前の任意聴取で、「(高井さんが死亡した7月22日は)大阪に行っていない」と関与を否定している。しかし、府警が高井さん宅周辺の複数の防犯カメラ映像を解析した結果、凜容疑者と酷似した男が22日に変装してうろつく姿が確認された。府警は凜容疑者が午後4時ごろに高井さん宅を訪れ、約2時間滞在していたとみている。
また、この日は当時住んでいた東京都内のマンションと大阪を往復する様子も防犯カメラに記録されていた。府警は一連の映像や生命保険を巡る不審な経緯を踏まえ、凜容疑者が殺害に関与したと判断した。
高井さんとの養子縁組を巡り、凜容疑者は縁組届に自身の家族の氏名を無断で書き込んだ偽造容疑で逮捕・起訴された。【郡悠介、洪香】