堺の母子死亡 殺人容疑の夫、事件発覚3日前に最寄り駅から逃走

堺市東区日置荘(ひきしょう)西町7丁のマンションで住人の女性(29)と長女(3)が刺殺された事件で、大阪府警捜査1課は31日、行方不明になっていた女性の夫でブラジル国籍のバルボサ・アンデルソン・ロブソン容疑者(33)を殺人容疑で指名手配し、顔写真を公開した。バルボサ容疑者は既にブラジルに出国したことが判明。府警は今後、国際手配することも検討している。
亡くなったのは、荒牧愛美さんとリリィちゃん。バルボサ容疑者は8月20~21日ごろ、自宅の一室で、同居していた荒牧さんらの胸や首を刃物で刺して殺害した疑いが持たれている。室内から血の付いた包丁1本が押収され、現場の状況からバルボサ容疑者の関与が浮上した。
府警が防犯カメラ映像などを捜査した結果、バルボサ容疑者は21日午前、自宅の最寄り駅から電車で逃走し、大阪市中央区の難波周辺に滞在。ブラジル行きの航空券を取得し、22日夜には成田空港から出国したことが確認された。
事件は24日、荒牧さんの父親が「22日から娘夫婦と連絡が取れない」と110番して発覚した。
バルボサ容疑者は約3年前に荒牧さんと結婚し、約2カ月前から自宅マンションで妻子と暮らしていた。この春から勤務していた職場によると、バルボサ容疑者から22日、「自転車でけがし、2週間休む」などと2回電話があり、これ以降連絡が途絶えた。関係者は「無断欠勤もなく真面目に働いていたのでショックだ」と語った。【郡悠介、洪香】