厚生労働省に新型コロナウイルス対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード(AB)」は31日、直近1週間の全国の新規感染者数は前週比で0・79倍と減少傾向に転じたとの分析結果をまとめた。AB座長の脇田隆字国立感染症研究所長は「減少傾向が続くかどうかは不確定だが、大都市圏は減少傾向という予測があり、続いていけばピークアウトかもしれない」と述べた。
厚労省によると、直近1週間の新規感染者数は、青森県(前週比1・07倍)、徳島県(同1・01倍)を除く45都道府県で前週から減少した。特に東京都(同0・72倍)など首都圏での減少が顕著だった。
一方、ABは感染状況について「全国的には高い感染レベルが継続している。今後、夏休み後の学校再開による影響に注意が必要」とも評価。西日本を中心に28府県で直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数が1000人を超す高水準で、ABは「重症者数や死亡者数も高止まりで、死亡者数はこれまでの最高値を超える状況が続いている」とした。
また、内閣官房によると30日時点の病床使用率は36府県で50%以上で、高止まりが続く。愛知県が77%で最も高く、神奈川、福岡両県の75%、滋賀県の70%と続いた。【神足俊輔】