新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織の会合が31日開かれ、「新規感染者はお盆明け以降の増加傾向から減少に転じたが、学校の再開で再び増加する懸念がある」との評価をまとめた。脇田隆字座長は「ワクチン接種と自然感染によって一過性の集団的な免疫が形成され、減少に大きく影響している可能性がある」と述べた。
加藤勝信厚労相は会議冒頭、31日に抗原検査キットのインターネット販売が始まったと明らかにした。シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス社製のキットが大手調剤薬局「日本調剤」のウェブサイトで購入できる。
全国の8月30日までの直近1週間の新規感染者数は前週の0・79倍。前週を上回ったのは青森(1・07倍)と徳島(1・01倍)の2県にとどまった。重症者数も600人を切って591人となり、8月30日時点の7日間平均の死者数は281人で過去最多だった8月26日時点の286人から減少した。
ただ、確保病床使用率(8月29日時点)は厳しい状況が継続し、38都府県で病床逼迫(ひっぱく)の目安とされる5割を上回っている。青森、神奈川、愛知、福岡の4県は7割台で、3割台は北海道と島根のみ。東京は前週比7・0ポイント減の50・8%、大阪は同6・2ポイント減の63・5%だった。