奈良県警、新本部長が着任 「事件を胸に刻み、信頼回復に総力」

安倍晋三元首相の銃撃事件を受けて奈良県警本部長に就任した安枝亮氏(47)が31日、奈良市の県警本部で記者会見を開いた。安枝氏は「県警は厳しい状況に置かれている。銃撃事件を深く胸に刻み、信頼回復のため総力を挙げて治安責任を果たす必要がある」と決意を語った。
安枝氏は、安倍氏の警護に不備があった責任を取って辞職した鬼塚友章氏(50)の後任として8月30日に着任した。銃撃事件を踏まえ「職員一人一人と痛みや苦しみも分かち合いながら、県の安全安心のために全力で取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
また、今後の警護体制のあり方については「見直しのきっかけとなった事件が発生した県ということもある。報告書で示された方向性に沿い、警察庁と一体となって強化していく必要がある」と話した。
安枝氏は大阪府出身で京都大法学部卒。1998年に警察庁に採用され、北海道警捜査2課長や内閣官房内閣参事官などを歴任し、警察庁暴力団対策課長から着任した。【吉川雄飛】