高槻女性殺害の容疑者、2日前に自殺ほのめかすメモ…府警は発見しながら防げず

大阪府高槻市の会社員高井直子さん(当時54歳)が自宅の浴槽で溺死した事件で、府警は2日、殺人容疑などで再逮捕され、府警福島署の留置場で自殺した養子の無職高井凜容疑者(28)が、自殺をほのめかす内容のメモを残していたと発表した。自殺2日前の8月30日に発見されていた。メモの存在に気づきながら自殺を防げなかったのは大きな失態で、府警は今後、詳しく検証する。
府警によると、メモが見つかったのは30日午前0時5分頃。署員が29日午後6時50分頃に高井容疑者の居室内から回収したノートに複数枚はさまれていた。便箋に書かれており、自殺をほのめかす内容のほか、家族宛ての遺書のような記述もあったという。
メモについては、30日に当直責任者を通じて署長に報告されたが、府警本部の留置管理課には伝わっていなかった。2日未明、留置管理課員が福島署で関連書類を調べる中で把握したという。
府警の内規では、自殺をほのめかす言動や自傷行為などが確認された場合、3段階ある監視レベルのうち、最も高い「特別要注意被留置者」に指定し、24時間の対面監視などの対応を取るとしている。
高井容疑者を逮捕した7月20日以降、留置先となっていた同署では、高井容疑者が捜査員との雑談で逃走を考えていると述べたため、8月19日、2番目に高い「特異被留置者」に引き上げた。
しかし遺書のようなメモが見つかった30日以降、夜間の巡回頻度を変えただけで、24時間の対面監視などの措置を取っていなかった。府警留置管理課は「特別要注意被留置者」に指定すべき事案だったとしている。
高井容疑者は1日午前7時頃、同署3階の留置場で、ひものようなものを金網にかけて首をつっている状態で署員に見つかった。病院に運ばれ、集中治療室で治療を受けていたが、同日午後10時21分に死亡した。
府警は、高井容疑者が、Tシャツの裾を破いて隠し持ち、束ねてひも状にしたとみている。
府警は1日午後に高井容疑者が自殺を図ったと発表した際、「自殺をほのめかす言動はなかった」としていた。府警留置管理課の戸山明夫調査官は2日、「発表段階で、29日の状況を把握できず、自殺をほのめかす言動はないと伝わったことについて、おわびを申し上げたい」と謝罪した。