東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、出版大手「KADOKAWA」の大会スポンサー契約に関する意向を、大会組織委員会元理事の高橋治之(はるゆき)容疑者(78)=受託収賄容疑で逮捕=が仲介していたとみられることが関係者への取材で分かった。KADOKAWA側は高橋容疑者の知人が経営するコンサルティング会社に計約7千万円を支払っており、東京地検特捜部は、一部を高橋容疑者が受け取った可能性もあるとみて捜査している。
KADOKAWAは平成31年4月、組織委と「オフィシャルサポーター」のスポンサー契約を締結。「書籍及び雑誌の出版サービス」分野で唯一のスポンサーとして令和3年4月以降、公式ライセンス商品の書籍を販売するなどした。
関係者によると、KADOKAWA側はスポンサー契約後、高橋容疑者の知人の会社にコンサルタント料名目で支払いを始めた。この知人は高橋容疑者が専務を務めた広告大手「電通」時代の後輩。KADOKAWA側の意向を知人から聞いた高橋容疑者が、組織委やスポンサー選定を主導していた古巣の電通に対し、意向を伝達したとみられるという。
特捜部はこれまでに、KADOKAWA幹部らを聴取。高橋容疑者が代表のコンサル会社「コモンズ」と知人の会社との間では、日常的に取引などで資金のやりとりがあり、KADOKAWA側から支払われた資金の詳細な流れなどを調べているもようだ。
特捜部は8月17日、紳士服大手「AOKIホールディングス」前会長の青木拡憲(ひろのり)容疑者(83)=贈賄容疑で逮捕=らから五輪スポンサー契約や公式ライセンス商品の製造・販売などで有利な取り計らいを受けたいと依頼を受け、コンサル料名目で現金計5100万円の賄賂を受領したとして高橋容疑者を逮捕した。
KADOKAWAは、これまでの取材に「当社と高橋容疑者の会社との契約は把握していない」などと回答。3日になり「東京地検の任意捜査に協力しているのは事実。事態を厳粛に受け止めている」などとするコメントを発表した。