紀伊半島豪雨11年 キャンドルに祈り、和歌山・那智勝浦

和歌山、奈良、三重の3県で計88人が死亡・行方不明となった平成23年9月の紀伊半島豪雨は、発生から11年を迎えた。死亡・行方不明者が自治体別で最多の29人だった和歌山県那智勝浦町では4日未明、キャンドル型ライトがともる中、遺族らが犠牲者の冥福を祈った。
例年、町の遺族会が追悼行事を実施してきたが、今年は新型コロナウイルスの感染防止のために中止に。ただキャンドル型ライトはともすことにし、遺族らが紀伊半島大水害記念公園(井関地区)に自主的に集まった。慰霊碑前に29個のライトがともる中、遺族らは、土石流が起き始めたとされる午前1時から静かに手を合わせた。
豪雨でおいと父親を亡くした町の遺族会代表、岩渕三千生(みちお)さん(61)は「思いは毎年変わらない。この時間帯になると、状況がフラッシュバックする」と述べ、災害への備えとして「自分の命は自分で守らないといけない」と語った。
県東牟婁(ひがしむろ)振興局に勤務する寺本圭太さん(33)は豪雨で母親と姉を亡くし、「大雨のニュースを見ると紀伊半島豪雨が頭をよぎり、死者やけが人が出ないでほしいと思う。この災害は一生忘れない」と話していた。