岸田首相は「安倍氏への批判」強く否定せよ 「旧統一教会と政治」最大の問題は外国系団体の関与 評論家・八幡和郎氏が緊急寄稿

自民党は8日、所属国会議員と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係をめぐる調査結果を公表し、決別する姿勢を示した。一部野党は「強制力を伴う調査ではなく、信憑(しんぴょう)性はないと思っている」(立憲民主党の安住淳国対委員長)と反発しているが、どう見るべきか。評論家の八幡和郎氏が寄稿した。
自民党の茂木敏充幹事長が示した調査結果では、旧統一教会と何らかの関わりがあったのは、所属議員379人中179人だった。自己申告なので多少の漏れはあるだろうが、茂木氏は疑わしい者には厳しく詰問したようで、大きく実態と違う数字ではないとみられる。
旧統一教会は、麻生太郎内閣時に刑事事件で摘発されたのち、民主党政権時代も含めてマスコミも大きな社会問題と取り上げなかった。党規違反でもないので処分は難しく、「今後は関係を絶つ」ということでケジメを付けた。名前を公表された議員のうち、度を過ぎた支援を受けていた議員は自分で選挙民に説明すべきだ。
私は、「旧統一教会と政治」の最大の問題は、外国系の団体が国会議員の事務所に秘書を送り込むなど「日本の政治に不明朗なかたちで関与する」とか、「日本で不適切に集めた資金を、日本の国益に反する目的で世界にバラまいていた」ことだと思う。
これを機に、不審な政治介入を排除する体制を構築すべきだ。宗教に限らず、中国や北朝鮮、韓国の工作にこそ、厳しい監視が必要だ。
岸田文雄首相は8日の閉会中審査で、安倍晋三元首相と旧統一教会との関係について、「本人が亡くなられたこの時点で、実態を十分に把握することには限界がある」と語っていたが、「国葬(国葬儀)」をする以上、関係は抑制的で、一部の批判は当たらないと説明すべきだ。
旧統一教会が、合同結婚式や霊感商法などで強い批判を浴びたのは1990年代前半であり、その時なら規制に乗り出せた。当時、安倍氏の父、晋太郎元外相は死去(91年5月)しており、安倍氏は立候補準備中だから無関係である。
旧統一教会は「反北朝鮮」で出発しながら、教祖の文鮮明氏が91年に訪朝してから「南北統一」に転換した。日本の信者は保守系が主体というねじれ状態だ。安倍政権は「悪徳商法への規制強化」もしており、他の与野党の政治家より批判されるいわれなどない。
そのことは、岸田首相が矢面に立っても保証すべきだ。それを怠れば、世論の「国葬」への批判は収まらない一方、保守層が岸田政権から離れることも不可避だ。岸田首相は、ここで逃げるべきではない。