特定危険指定暴力団「工藤会」の本部事務所(北九州市小倉北区)について、北九州市は26日、福岡県暴力追放運動推進センターを経由して福岡市の民間企業が購入することで、北九州市とセンター、企業、工藤会側の4者が合意したと発表した。買い取り価格は1億円で、年度内に建物を取り壊して更地にした後、企業に引き渡される。市役所で記者会見した北橋健治市長は「暴追運動のシンボリックな取り組みが工藤会本部の撤去だった。(売却益を)被害者の賠償に確実に充てられるよう、しっかりと取り組んでいきたい」と強調した。
本部事務所は1971年に建てられ、土地面積は1752平方メートル。工藤会トップの野村悟被告(72)=殺人罪などで起訴=が代表取締役を務める会社が所有するが、福岡県公安委員会が2014年11月に暴力団対策法に基づき使用制限命令を出して以降、実質的に使われていない。市が昨年12月、固定資産税滞納を理由に土地建物を差し押さえた後、工藤会側から売却の意向が示されていた。
市によると、センターが工藤会側、企業側とそれぞれ契約を結び、土地所有権をいったんセンターに移した後、企業側に移し直す。また建物の撤去費や税滞納分などの必要経費を除いた売却益全額をセンターが管理し、工藤会が関与したとされる事件で請求されている損害賠償に充てる。