奈良県御所(ごせ)市発注の火葬場整備工事を巡り、特定の業者側の受注に便宜を図った見返りに、計7500万円の賄賂を受け取ったなどとして、大阪地検特捜部は21日、加重収賄の疑いで、御所市議の小松久展(ひさのぶ)(70)と、甥で会社役員の小松隆浩(47)の両容疑者を逮捕した。特捜部は2人の認否を明らかにしていない。
特捜部は今年6月に市役所などを家宅捜索し、関連資料を押収。贈賄側についても捜査を進めている。
火葬場の建設工事の入札は、業者からの提案を市側が技術面と価格面で審査して発注先を決める「公募型プロポーザル」方式で実施された。建設会社や設計事務所などで構成する共同企業体(JV)2グループが応募し、ともに1次審査を通過したが、うち1つは2次審査に進む前に辞退。令和2年6月、御所市の建設会社を代表企業とするJVが落札した。
逮捕容疑は、このJVによる受注が事前に合意されていたと知りながら、久展容疑者が翌7月の市議会でJV側との契約に関する議案に賛成。3年には、落札したJV代表企業の建設会社側から2度にわけて謝礼として計7500万円の賄賂を受け取ったとしている。
久展容疑者は平成6年4月の市議選で初当選し、現在8期目。