安倍晋三元首相の国葬、どう思う? 反対する三つの理由

安倍晋三元首相の国葬が9月27日に迫る中、国葬に反対する意見が強まっている。毎日新聞と社会調査研究センターが17、18日に実施した全国世論調査(携帯電話回答者642人、固定電話回答者422人)では、国葬に「反対」との回答が62%(8月調査53%)を占め、「賛成」の27%(同30%)を大きく上回った。安倍氏の国葬について携帯回答者に自由に意見を書き込んでもらったところ、反対理由の多くは「国葬に値しない」「不透明な決定」「高額な費用」に集約された。
国葬に値しない
安倍氏の連続首相在任期間は憲政史上最長の7年8カ月に及ぶ一方、「森友学園」「加計学園」「桜を見る会」などの問題が相次ぎ、亡くなった後も「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)」との関係が批判を浴びている。以下に紹介する回答のように、こうした問題を抱えた安倍氏に国葬はふさわしくないと考える人は少なくないようだ。
「安倍さんの数々の疑惑はどうなるのか?それを解決してからの国葬では?」(50代男性)
「統一教会と関わりがあった人を国葬にするのはおかしい。国民の意見を聞かず勝手に税金を使うのはどうかしている」(60代女性)
不透明な決定
国葬に関する明確な規定や基準がないにもかかわらず、国会の審議を経ずに実施を決定したことも多くの批判を招いている。
「何の基準もなく、時の政権が勝手に決めるべきものではない」(70代男性)
「国家の私物化だと思う。自民党の広告に利用しているだけだと感じる」(40代男性)
高額な費用
国葬に多額の費用がかかることにも批判が集まった。
「そんなお金があるならコロナで困ってる人に使ってほしい」(40代男性)
「やりたければ、自民党議員の資産を集めてやれば。税金は自民党のものではない」(70代男性)
賛成派からも注文
国葬に賛成する回答の中にも、費用や説明の面で注文をつける意見が目立った。
「国葬の実施は良いが国葬実施までの決め方が乱暴な印象をうけた」(30代男性)
「今までの功績を考えれば国葬は妥当だが、税金を使用するのであれば、節約すべきだ。時代にあった国葬を検討してほしい」(30代男性)

寄せられた回答は、社会調査研究センターのホームページ(https://ssrc.jp/blog_articles/2022091718free.html)で読むことができる。【伊藤奈々恵】