台風15号の影響で発生した静岡市清水区の大規模な断水について、市は26日、早ければ29日にも一部の地域で水の供給を段階的に開始できると明らかにした。一方、道路が土砂崩れで途絶し、静岡市や川根本町などの計約600世帯で孤立状態が続く。県は26日午前、陸上自衛隊に災害派遣を要請した。孤立状態の解消や断水復旧などで支援を求める。
静岡市は断水などの影響で、27日も市立の小中学校計29校、こども園と待機児童園計17園を休校・休園にすることを決めた。田辺信宏市長は26日の定例記者会見で「一日も早く復旧できるよう、全庁を挙げて対応する。被災者が知りたい情報を迅速、正確に発信していく」と強調した。
断水は26日現在、清水区で約6万3000戸に達した。清水区の水道供給の大部分を担う興津川の取水口は依然、流木や土砂で塞がれたままだ。河川の流量が減少せず、重機を投入しての撤去作業は27日以降になる。
一方、市は27日早朝から、市のポンプ場からくみ上げた水や県の工業用水などを活用し、水道管を水で満たして洗浄する「充水作業」を開始する。これにより、半数の約3万戸では最短で29日にも、飲料水の供給が可能になるという。市の担当者は「復旧直後は水が濁る可能性があり、水が透明であるかをしっかり確認してほしい」と呼びかけている。
山間部では土砂崩れにより、集落の孤立が続く。静岡市によると、26日午前11時現在、葵区と清水区の計19地区577世帯が孤立している。住民の健康状態に大きな問題はないという。市は1週間をめどに、車両が通行できる程度の幅を確保したいとしている。また、県によると、川根本町で13世帯▽浜松市天竜区で9世帯▽島田市で2世帯――が孤立している。【深野麟之介】
川根本町で29人孤立状態
静岡県川根本町によると、台風15号の影響で同町南部の集落「壱町河内(いちょうごうち)区」につながる道路が土砂や倒木などで塞がれ、この地域に暮らす全13世帯29人が孤立状態に陥っている。
停電で携帯電話がつながらないため、町は24日から、防災無線を使って地元と定期的に連絡を取り合う。車が通れない道を職員らが歩いて、食料や水などの支援物資を届けている。今のところ体調不良を訴えている住民はいないという。復旧のめどは立っていないといい、障害物を取り除いて緊急輸送路を確保する自衛隊の「啓開」作業に期待を込める。
一方、壱町河内区の手前にある下泉区では26日、4世帯12人の孤立状態が解消した。町によると、道路の陥没箇所を避けつつ緊急車両が行き来できるようになったという。【松浦吉剛】
静岡鉄道、全線で運転再開
静岡鉄道は、運転を見合わせていた狐ケ崎―桜橋間での線路下の盛り土の復旧工事が完了し、26日午後5時から全線での運転を再開した。当初は復旧工事が27日までかかる見通しを示していた。【松浦吉剛】