きょう安倍氏国葬、国内外4300人参列 首相は弔問外交アピール

[東京 27日 ロイター] – 政府は27日午後、東京・千代田区の日本武道館で安倍晋三元首相の国葬を行う。国内外のおよそ4300人が参列し、九段坂公園には一般向けの献花台も設置する。開催への反対意見が強まり、支持率が急落する中、岸田文雄首相は「弔問外交」をアピールする。
政府が首相経験者の国葬を行うのは、戦後では吉田茂氏以来2例目。法律に国葬の規定はないが、岸田文雄首相は安倍氏の連続在任期間が戦後最長だったことなどから開催を決めた。
海外からはインドのモディ首相やオーストラリアのアルバニージー首相、ハリス米副大統領など、218の国と地域・機関の約700人の要人が出席する。うち、48人は元職を含め首脳級。中国からも全国政治協商会議の万鋼副主席が、ロシアからはシュビトコイ国際文化協力担当大統領特別代表が参加する。国内からは約3600人が参列する。
安倍元首相は7月8日、参議院選挙の応援に駆けつけた奈良市で銃撃され、死亡した。逮捕された容疑者が動機として世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と母親の関係を挙げ、それをきっかけに安倍氏をはじめ与党・自民党の議員が協会と接点があったことが次々と表面化。国葬反対の世論が強まるとともに、岸田内閣の支持率も急落した。
前日26日に日本武道館近くにいた38歳の女性会社員は、「(国葬は)すべきではないと思う。税金で行うということには疑問がある」と語った。一方、28歳の男性は「あす実家に帰るので、長年総理として務めた安倍晋三さんを追悼したいと思ってきょう来た」と話した。
安倍氏は2006年9月から1年間首相を務め、体調不良を理由に退任。2012年12月に再登板し、20年8月に体調不良で辞めるまで歴代最長の7年8カ月在任した。
第2次安倍政権は看板政策「アベノミクス」を掲げてデフレからの脱却を目指し、日銀の大規模緩和で円安と株高を演出した。国論を二分する中で集団的自衛権の行使を可能にしたほか、「地球儀を俯瞰する外交」を掲げ、米国以外にもインドやオーストラリア、英国などとの関係強化に動いた。
国葬は約16億6000万円という費用も批判されており、岸田首相は「弔問外交」という成果を強調する。来日した要人と30以上の個別会談を開く予定にしている。
26日午後に会談した米ハリス副大統領とは、台湾情勢や日本の防衛力強化などを協議した。