27日にある安倍晋三元首相の国葬で、沖縄県内各地では政府の強行や自治体の半旗掲揚に抗議する動きが相次いでいる。半旗掲揚は南城市など3市町が新たに実施を決め、計11市町村となった。「市民の意見を無視している」「功績を踏まえて判断した」。米軍基地問題などを巡り、評価が分かれる元首相。市民や自治体も揺れている。(八重山支局・粟国祥輔、南部報道部・国吉聡志、北部報道部・玉城日向子)
石垣市の市民団体でつくる「安倍元首相の『国葬』反対を求める実行委員会」は26日、役所内で半旗を掲げる方針の八重山3市町に抗議し、中止を要請した。代表世話人の宮良純一郎さん(72)らが石垣市内の市役所と竹富町役場を訪れ、首長宛ての要望書を手渡した。与那国町にはファクスを送った。
宮良さんは石垣市への要請で、政府が弔意表明への協力を自治体に求めないとする一方、3市町が独自に半旗掲揚の方針を示していることを問題視。「市町民の意見を無視しての判断に強く抗議する」と申し入れた。
南風原町では同日、町議ら町民7人が半旗掲揚を再考するよう赤嶺正之町長に求めた。赤嶺町長は「亡くなった時に半旗を掲げていないこともあり、町としても弔意を示した方がよいと判断した」と理解を求めた。
大城毅町議は「安倍氏は、桜を見る会を巡って事実と異なる答弁をするなど行政をゆがめてきた」と指摘。「国葬に反対する町民も多いはずで、掲揚はもう少し慎重に検討してほしかった」と語った。
名護市内の国道58号の交差点では25日、市民ら約50人によるスタンディングデモがあった。「NO国葬」などのプラカードを掲げながら、シュプレヒコールを上げた。呼びかけ人の一人の上野郁子さん(68)は「辺野古の新基地建設など、何度も民意を無視してきた。反対には政府の在り方を問う意味もある」と強調した。
中山吉人(よしと)さん(65)はデモ実施前から名護市役所前で一人、反対を訴えてきた。「森友・加計学園問題などが解明されないまま国葬にするのはあり得ない。コロナ禍で疲弊した人々に税金を使うべきだ」と語った。