競合する大手回転ずしチェーン「はま寿司」の営業秘密を不正に入手したとして、警視庁生活経済課は30日、同業の「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイト(横浜市)社長の田辺公己容疑者(46)=神奈川県藤沢市辻堂元町5=や元部下ら計3人を不正競争防止法違反容疑で逮捕した。法人としてのカッパ社も近く書類送検する方針。同課は3人の認否を明らかにしていない。
田辺容疑者は、はま寿司の親会社ゼンショーホールディングスから2020年11月、カッパ社に顧問として移籍し、21年2月に社長に就任した。ゼンショー時代には、はま寿司の取締役も務めていた。
他に逮捕されたのは、カッパ社の商品企画部長、大友英昭(42)と、田辺容疑者の元部下でゼンショーの子会社の元社員、湯浅宜孝(43)の両容疑者。
田辺容疑者の逮捕容疑は、ゼンショーに在籍していた20年9月末、はま寿司で管理されていた仕入れ価格や取引先情報などの営業秘密を不正に持ち出し、移籍後の20年11月、その情報を大友容疑者とメールで共有してかっぱ寿司の運営に使用したなどとされる。
湯浅容疑者は当時、はま寿司の経営企画部長で、営業秘密を閲覧するためのパスワードを田辺容疑者に教え、持ち出しに協力したとされる。大友容疑者は田辺容疑者から受け取った情報を社員と共有するなどした疑いがある。
同課は、背景に回転ずし業界の激しい競争があったとみて詳しい動機や経緯を調べる。
田辺容疑者は今年5月、毎日新聞の取材に対し、情報入手について認める一方で、「営業秘密に当たると思わなかった。(入手したデータは)そんなに活用できるものではない」と違法性の認識は否定した。一方、ゼンショーの小川賢太郎社長は取材に「売り上げや仕入れ価格は競争対策や出店戦略の基礎となり、重要な機密情報だ」と反論した。
はま寿司は21年4月に不正競争防止法違反容疑で田辺容疑者を警視庁に告訴。警視庁は21年6月、カッパ社の本社を家宅捜索していた。【高井瞳】