「夢のつり橋」には向かえず、台風で遊歩道崩落…大井川鉄道の復旧も見通せず

台風15号の影響で、静岡県内の観光地が打撃を受けている。川根本町では、観光の柱である大井川鉄道の復旧が見通せず、観光名所「夢のつり橋」も被害にあった。秋の行楽シーズンを前に、地元の観光関係者からは不安の声が聞かれた。
川根本町千頭の寸又峡温泉街は2日、週末にもかかわらず閑散としていた。千頭地区では、エメラルドグリーンの湖面が見られるとして人気の「夢のつり橋」へ向かうための遊歩道が台風で崩落し、通行止めが続いている。
同地区の旅館「翠紅苑」では、予約のキャンセルが相次ぎ、8~10日の3連休は約9割がキャンセルされたという。大規模な土砂流入で大鉄が運休していることも、観光客の足が遠のく一因となっており、翠紅苑の望月孝之会長(76)は「観光客の目当ては、大鉄とつり橋。どちらもだめになり、客足はぱったり途絶えた」と肩を落とした。
町内は、紅葉シーズンの10~11月がかき入れ時といい、望月会長は「寸又峡は観光しか収入がない。紅葉や温泉を楽しむことはできるので、少しでもお客さんを呼び込みたい」と話す。川根本町まちづくり観光協会の戸塚崇次長(51)は「ようやくコロナが落ち着いてきたところ。何とか観光を盛り上げたい」と述べた。