「かっぱ寿司」前社長、転職前に秘密保持の誓約書に署名 違法性認識か

競合他社の営業秘密を不正取得したとして、回転ずしチェーン「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトの前社長、田辺公己容疑者(46)が不正競争防止法違反で逮捕された事件で、田辺容疑者が「はま寿司」の親会社「ゼンショーホールディングス(HD)」を退職前、秘密保持の誓約書に署名していたことが4日、関係者への取材で分かった。
田辺容疑者は、令和2年11月にカッパ社に入社。直前までゼンショーHDで事業本部長を務めていた。カッパ社などによると、8月下旬に採用通知を送り、9月中旬にゼンショーHDに退職する意思を伝えた。
田辺容疑者は、9月30日にはま寿司の営業秘密を複製したとされるが、関係者によると、9月下旬にゼンショーHDの秘密保持誓約書に署名した。業務で知りえたことを外部に漏らさないことなどを求める内容で、退職予定者全員に同意を求めているという。
カッパ社によると、田辺容疑者は社内調査に対し、「不正競争防止法についての認識が不足していた」と説明。一方で、前職で秘密保持の誓約をしていることから、警視庁は、田辺容疑者が違法性を認識した上で、情報を持ち出したとみて調べを進めている。