「利用料金の未納」で電話し…70代が特殊詐欺で4550万円の被害

鳥取県警は5日、同県東伯郡の70代女性が架空請求による特殊詐欺の被害に遭い、4550万円をだまし取られたと発表した。県内で発生した特殊詐欺事件の被害額としては過去最高という。
県警捜査2課などによると今年6月、女性宅に「利用料金の未納」を通知する内容の封書が届いた。差出人は「NTTファイナンス日テレサイケン買収(株)」。女性が電話すると、「コンピューターウイルスを出していて被害が出ているので、補償が必要」と言われ、指定の口座に80万円を振り込んだ。
翌日以降、女性宅に「日本保護協会」「警視庁刑事2課」などを名乗る複数の男から電話が相次いだ。「お金を払わなくてもいい被害者なので返金する」などと言って口座番号や資産額などを言葉巧みに聞き出し、「預金を守る口座があるので移動させましょう」とATM(現金自動受払機)に出向かせ、約2カ月間で67回にわたり計4550万円を振り込ませた。振込先口座の一部は暗号資産会社が開設したもので、詐欺グループへの捜査の手が及びにくくする狙いがあるとみられる。
9月に女性が通帳記入しようとしたところ、通帳が戻らなくなり、金融機関に相談。口座が別の詐欺事件の入金先に悪用され、警察の要請を受けた金融機関が凍結していたことがわかった。女性は1人暮らしで、「まさか自分がだまされるとは思っていなかった」と話しているという。県警は「『未納料金のお知らせ』などと書かれたメールや郵便が届いても絶対に電話せず、最寄りの警察署に相談してほしい」と呼びかけている。【山田泰正】