「こんなにもつらいとは」立っているだけで激しい動悸 コロナ後遺症、1年以上も治らず不安

「こんなにもつらいとは」。新型コロナウイルス感染後の療養を終えたのに、想像以上に後遺症は重かった。味覚、嗅覚の異常はもちろん、日常生活で立っていられないことも。病院で診察を受けても明確な治療法は見つからず、当事者は今も不安な日々を過ごしている。(北部報道部・玉城日向子、社会部・島袋晋作)
「検査しても異常が見つからない。なのに、この不調は何なのか」。20代の会社員女性(那覇市)は、感染から約2カ月がたった今も立っているだけで激しい動悸(どうき)が続き、元の生活に戻れていない。
8月に感染し、10日間の自宅療養となった。甲状腺ホルモンが過剰に作られ、脈が速くなる「バセドー病」の持病があったが、「2、3日で回復すると思っていた」と振り返る。
感染5日目。立っていると息苦しく、走った後のような動悸がすることに気付いた。脈拍は横になると正常値の80程度だが、立つと130まで上がった。
療養が明けても症状は治まらず、約3万円かけてバセドー病の再発や循環器系の検査をした。だが、全て「異常なし」。そこで初めて後遺症を疑ったという。
少し外を歩くと座り込み、30分で作れた料理に1時間かかった。立ったままシャワーも浴びられず「できないことが一気に押し寄せた」とうつむく。いつ治るのか、先が見えない状況にある。
仕事は在宅に切り替えたが「働けず収入がない人もいる」と指摘する。経済的な支援や後遺症専門外来の設置を求めた。
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共働きで2歳の子どもを育てる嘱託社員の女性(38)=那覇市=は昨年8月、コロナに感染し、一時味覚や嗅覚を失った。あれから1年以上が過ぎ、味覚は元に戻ってきたが嗅覚の異常は残ったままだ。
昨年末、「自分の体で何が起こっているのか不安。診てくれる病院はないんですか」と不安に駆られて県のコールセンターに問い合わせたが、答えは得られなかった。仕方なく自分で病院を探し、漢方薬を処方してもらった。だが薬が体に合わず、肝炎を発症。休職を強いられ、職場復帰までに1カ月かかった。
嗅覚の異常だけでなく、息苦しさや倦怠(けんたい)感が消えない。さらに今年9月、再びコロナに感染した。療養は終わったが、新たに頭痛の症状が加わった。
息子が保育所で感染し、家庭内で広がった可能性がある。自分の体の不調と向き合いながら、子どもの成長にも影響が出ないかと不安は尽きない。
最近は接骨院に通って体をほぐしてもらうなど、手探りの治療を続けている。「コロナについてまだ分かっていないことも多いと思うが、行政はせめて専門的に相談できる場所を示してほしい」と話した。