処理水放出の賠償基準、東電が考え方公表 正式基準は年末までに

東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、東電は7日、風評被害が起きた際の損害賠償基準の現時点での基本的な考え方を公表した。漁業や農業など業種ごとの風評被害の確認方法や被害額の算定方法で、今後検討を重ねて年末までに正式な基準をまとめる。
海産物や農産物は、価格を地域ごとに全国の動向と比較し、上昇率が小さい場合や下落率が大きい場合に風評被害があったと推認する。観光業は観光客数で比較する。風評被害が推認された場合、放出後の価格と放出開始前年の価格との差額に水揚げ量や販売量を掛け合わせて算出する。観光業は売上高の差額をベースに算定する。
一方、水産加工業は、重量ベースで50%以上を占める原材料の海産物の風評被害が確認された場合に賠償の対象となる。水産卸売業は、取り扱う海産物や水産加工品の風評被害が確認されれば対象となる。両業種とも観光業と同じように売上高をベースに算定する。
賠償額の算定にはいずれも物価変動などを考慮する方向で、今後関係団体などと協議を重ねて詳細を詰める。問い合わせ先は専用ダイヤル(0120・429・250)、受付時間は平日午前9時~午後7時、土日祝日午前9時~午後5時。
賠償基準を巡っては、政府が今年8月に示した処理水放出に関する行動計画で、東電に対して年内に公表するよう指導するとしていた。【吉田卓矢】