「夢のため全て忘れるか悩んだ」性暴力被害の元自衛官、再発防止訴え

防衛省は9月末、陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県)に所属していた元1等陸士、五ノ井里奈さん(23)に対する複数の男性自衛隊員による性暴力を認め、防衛省幹部は五ノ井さんに謝罪した。自衛隊を辞め、中傷を受けても被害を訴え続ける五ノ井さんは毎日新聞のインタビューに「今でも自衛隊はいい職業だと思っている。だからこそ、変わってほしい」と再発防止を訴えた。
五ノ井さんは2020年9月に郡山駐屯地に配属されて以降、日常的に性的な言葉を投げかけられ、胸を触られたりキスをされたりするなどの被害を受けるようになった。こうした被害は五ノ井さんのみならず、男女問わず受けていたが、周囲にそれを注意する人はほとんどいなかったという。
21年8月、五ノ井さんは訓練中に宿舎で男性らに押し倒されて性的な身体接触をされるなどの被害に遭った。人事を担当する部署に申告したが、その部署から受けた報告は「証言が得られなかった」。隊員同士が調査のために口裏を合わせていたためだ。
事件後、適応障害と診断された五ノ井さんはは22年1月から休職。「自分の夢のために全てを忘れるか、被害を無かったことにしないで闘うか。そう思い悩んだ」と振り返り、一時は「自ら命を絶つことも考えた」という。【日下部元美】