テレ朝の放送番組審議会が「虚偽発言」玉川氏に降板〝勧告〟 批判噴出「もう画面に出ない方がいい」 政治的意図を持つ番組制作も問題視

テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターで同社社員の玉川徹氏の「虚偽発言」に、同局の放送番組審議会(番審)から批判が噴出している。放送局は番審の意見を「尊重」するよう法律に定められており、玉川氏を取り巻く状況は厳しさを増している。
「記者の基本動作ができていないということだ」「勘違いでは済まない」
このような厳しい発言が、今月6日に開かれたテレビ朝日の放送番組審議会で出された。委員9人のうち、丹羽委員を除く8人が出席した。この日の課題は「放送番組全般」だったが、玉川氏の発言をめぐる意見が多くあった。
玉川氏は9月28日の放送で、前日に行われた安倍晋三元首相の「国葬(国葬儀)」での菅義偉前首相による弔辞に関し、「(広告大手)電通が入っている」と発言した。ところが、翌日の放送で「事実ではなかった」として訂正・謝罪した。テレビ朝日は今月4日、玉川氏を「出勤停止10日間」の懲戒処分とすると発表した。番組は玉川氏について、19日の放送から復帰することを明らかにしている。
同社のホームページに掲載された番審の概要によれば、「玉川さんには今回の問題を深く見つめ、対峙(たいじ)し、乗り越えて、番組に戻ってほしい」「きちんと番組に出て、視聴者の代弁をし、自分の思いを語ってほしい」と今後の活躍に期待を寄せるような発言もあった。
これに対し、厳しい意見も少なくなかった。「何を根拠にあれだけの問題を公器で言ったのだろうか」と説明を求める意見や、「コメンテーターという形では、もう画面には出ない方がいいと思う」としコメンテーター降板を勧める意見もあった。
9月28日の玉川氏の発言では、「それはそういう風につくりますよ。当然ながら。政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ」という部分も問題とされた。玉川氏がある政治的意図を持って、番組制作をしていたと読み取ることができるからだ。番審でも、「事実ではないことを自分の意見を言うために援用することが一番よくない」と再発防止を求める意見が出た。
番審は放送法で放送事業者(放送局)に設置が定められた機関で、放送局から委嘱を受けた有識者が、その局の番組内容について話し合い、意見を出す。
放送法第6条では、審議機関(番審)の意見について、放送局は「尊重して必要な措置をしなければならない」と記されている。玉川氏の復帰を間近に控えた中、テレビ朝日と玉川氏に対し、番審の有識者の意見は重い課題としてのしかかっている。
■テレビ朝日放送番組審議会のメンバー
見城徹委員長 (幻冬舎社長)
田中早苗副委員長 (弁護士)
秋元康委員 (作詞家)
内舘牧子委員 (脚本家)
小谷実可子委員 (スポーツコメンテーター)
小松成美委員 (作家)
丹羽美之委員 (東京大学大学院情報学環教授)
藤田晋委員 (サイバーエージェント社長)
増田ユリヤ委員 (ジャーナリスト)