番組中の「虚偽・政治的意図」発言で、出勤停止の懲戒処分を受けていたテレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターで同社社員の玉川徹氏が19日、番組に復帰して発言を謝罪した。今後はレギュラーコメンテーターを外れるものの番組出演は継続する。降板説も出ていたが、「視聴率男」と知られる玉川氏を完全に切るわけにはいかなかったようだ。
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「今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通、菅(義偉)前総理大臣に対し、改めておわび申し上げる。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ、それは私の慢心とおごりがあったからだと反省した。申し訳ございませんでした」
番組の冒頭、スタジオとは別の場所から出演した玉川氏はこう語り、頭を下げた。
玉川氏は9月28日の放送で、別表のような発言を行った。翌29日の放送で、電通に関する部分について「事実ではなかった」と謝罪・訂正をした。テレビ朝日は今月4日、玉川氏を「出勤停止10日間」の懲戒処分とすると発表していた。
この日の出演で、玉川氏は謹慎期間中に「事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けた。そして事実確認こそが報道の根幹である。その原点に立ち返るべきだと考えた」と説明。今後について「現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する。その結果は羽鳥慎一モーニングショーでお伝えする」と述べた。
玉川氏は今後、レギュラーコメンテーターは外れるが番組への出演は続ける。テレビ朝日広報部は「スタジオに出る機会はあるが、月曜から金曜まで出るスタイルではない」と説明した。
だが、玉川氏が疑惑を払拭したとは言いがたい。問題発言に至った経緯をまったく説明していないからだ。さらに「政治的意図がにおわないように制作者としては考えます」という部分は、ある政治的意図を持ちながら、視聴者には分からないように番組制作をしていたことがうかがえるが、この点についても言及はなかった。
放送法第4条では、番組編集にあたって、「報道は事実をまげないですること」のほか、「政治的に公平であること」と定めている。今月6日のテレビ朝日の放送番組審議会でも「事実ではないことを自分の意見を言うために援用することが一番よくない」と再発防止を求める意見が出た。
総務省や放送倫理・番組向上機構(BPO)に対し、玉川氏の発言が放送法違反だとして、玉川氏とテレビ朝日の責任追及を求めて申し入れ書を提出する動きも出ている。復帰こそ果たせたとはいえ、玉川氏の発言に関する問題は終わってはいない。
【玉川徹氏の問題発言】
(『羽鳥慎一モーニングショー』9月28日放送)
僕は国葬自体がない方が、この国には良いんじゃないかと。政治的意図だと思うから。
僕は演出側の人間ですから、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風につくりますよ。当然ながら。政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ。当然これ電通入ってますからね。