B型肝炎再発、国に全額3900万円賠償命令…東京地裁

乳幼児期の集団予防接種が原因で20年以上前にB型肝炎を発症し、その後再発した千葉県などの患者や遺族6人が国に計3900万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(古田孝夫裁判長)は25日、請求通り国に全額の支払いを命じる判決を言い渡した。
再発患者による損害賠償請求は、最高裁が昨年4月の判決で、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」の始まりを「再発時」とする判断を示した。
これを受け、今回の訴訟では「除斥期間」の適用時期は争いにならず、損害額が争点となった。判決は、患者1人当たりの損害額を救済制度で慢性肝炎患者に支払われる給付金と同額の1250万円と認定した。
厚生労働省によると、再発患者を巡る判決が言い渡されたのは、最高裁の判決後初めて。
判決などによると、60歳代の男女ら3人(1人は昨年死去)は注射器の使い回しでB型肝炎ウイルスに感染し、1988~91年頃に慢性肝炎を発症。治療で一度は症状が落ち着いたが、2001年までに再発した。