東京都文京区の自宅で平成28年に妻を殺害したとして殺人罪に問われた講談社の青年コミック誌「モーニング」の元編集次長、朴鐘顕(パク・チョンヒョン)被告(47)について、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は27日、上告審弁論を開いた。弁護側は改めて無罪を訴え、検察側は上告棄却を求めて結審した。判決期日は追って指定される。
被告は「妻は産後うつなどで精神的に不安定になっており、階段で自殺した」と主張している。
この日の弁論で弁護側は、「他殺を積極的に推察する証拠は何一つない」と主張。検察側は「被告は約3分にわたり妻の首を絞め続けている。自殺説は客観証拠にも反するものだ」と反論した。
裁判員裁判で審理された平成31年3月の1審東京地裁判決は、寝室に残された痕跡の状況などから妻、佳菜子さん=当時(38)=の首を絞めて殺害したと認定し、懲役11年の判決を言い渡した。昨年1月の2審東京高裁判決も自殺説を否定し、被告側の控訴を棄却した。
弁論は結論変更に必要な手続きで、判決が見直される可能性がある。