全国初、警戒区域内に組事務所 山口組系3次団体組長を逮捕

暴力団対策法で、暴力団事務所の使用を禁じている警戒区域内に組事務所を新設したとして、大阪府警捜査4課は31日、同法違反容疑で、特定抗争指定暴力団山口組系3次団体組長の劉(りゅう)誠二容疑者(49)を再逮捕した。組事務所の新設に同法を適用して立件するのは全国で初めて。
捜査関係者によると、劉容疑者は令和2年1月、特定抗争指定暴力団に指定されて以降、警戒区域内にある大阪市生野区のビルの一室に組事務所を開設した疑いが持たれている。情報を受け、府警捜査員が組員らが出入りしていることを確認した。
劉容疑者は9月、同区新今里のカラオケ喫茶で外国籍の男性の頭や腹を複数回殴るなどの暴行を加えたとして、暴力行為処罰法違反罪で起訴されている。
警戒強める大阪府警
府警によると、暴力団にとって組事務所の設置は、定例会の開催など組の統率や結束を固めるためにも欠かせない。組員らが法の目をかいくぐり、集まって活動している可能性もあることから、警戒を強めている。今回の事例について府警幹部は「法律で禁止しているエリアに堂々と設置しており、悪質だ」と非難する。
特定抗争指定暴力団は、抗争状態にあり、警察が危険と判断した暴力団を対象に、都道府県の公安委員会が暴力団対策法に基づいて指定。山口組と神戸山口組が令和2年1月に初めて指定された。
指定を受けると、公安委が定める警戒区域内で、組事務所の新設▽組事務所への立ち入り▽対立組織組員へのつきまとい▽組員がおおむね5人以上集まる-などの行為が規制され、違反があれば警察は即時に組員を逮捕できる。
警戒区域は全国で最大10府県20市町まで拡大したが、神戸山口組傘下組織の離脱などが相次ぎ、現在では9府県16市町が指定されている。
組事務所の設置は、警戒区域外でも暴力団排除条例に基づき規制されているが、自治体によってその度合いは異なる。大阪府では府の総面積の約半分で事務所の新設はできないと定めており、そのエリアは全国で最大規模となっている。