窃盗被告に起訴6度「必要以上の拘束」、判決で苦言

福岡地裁は26日、窃盗罪などに問われた福岡市の無職の男性被告(28)に懲役3年6月(求刑・懲役6年)の判決を言い渡した。被告は計6回逮捕・起訴されており、岡崎忠之裁判官は「一括できたはずの追起訴の繰り返しで、必要以上の身柄拘束を受けた」と捜査手法に苦言を呈した。全国的に勾留請求の却下率が上昇する中、専門家は「その傾向が量刑理由に表れた珍しい判決」としている。
判決によると、被告は昨年11月、同市内の高齢者3人からキャッシュカードを盗むなどし、計約750万円を引き出した。同月から今年6月まで逮捕・起訴が繰り返され、7月に保釈された。
岡崎裁判官は「被告が多数の事件を起こしたことが一番の原因だが、一括した追起訴などで早期の事件処理が可能だった」と述べた。
弁護人は「被告の人権を考慮してくれた。通常の量刑よりも軽い印象だ」と評価。関西学院大の川崎英明名誉教授(刑事訴訟法)は「身柄拘束に対する見方は厳しくなっている。捜査機関にも、勾留を許した他の裁判官にも、警鐘になるだろう」と指摘した。