暴言の責任を取り、来年4月の任期満了で政治家引退の意向を表明した明石市の泉房穂市長が、来春の同市長、市議選に向けて候補者を公募する方針であることが分かった。泉氏が産経新聞のインタビューで明らかにした。泉氏は「多くの市民が今の路線の継続を望んでいる」とし、市長選で現市政の継続・発展を目指す候補を「送り出す」と表明。市議選でも現市政を支持する候補者を当選させ、「次の市長が安定した市政運営を行える状況を整えてから去る」と述べた。主なやり取りは以下の通り。
--自身の暴言をきっかけに引退表明となった
「全国の期待していただいた方々には本当に申し訳ない。4年前の出直し市長選の経緯もあるので責任の取り方は政治家引退しかなかった」
--慰留の声もあるが
「ありがたい話だが、ほぼやりきったという思い。明石市の子育て支援施策は全国的に評価され、まねする自治体も増えてきた。今後は『明石発』の施策を全国に広めていくことに力を尽くしたい」
--次期市長選、市議選にどう関わるのか
「市長選、市議選で市民に選ばれる方を(擁立できるよう)対応するのが自分の責任。候補者を公募する予定だ」
--引退の引き金となった議会との対立について
「12年間、要所要所で自民との対立があった。公明は賛成したり、反対したり。その2会派が組むと議会の過半数を取られるので、しんどかった」
--議会との対立で印象に残っている議案は
「昨年12月に可決された旧優生保護法の被害者支援条例だ。定数30の明石市議会は現状、欠員1で29人の議員がいる。議長を除く自民系会派12人が反対、維新や共産などの10人が賛成。残る公明がどちらに転ぶかで賛否が分かれる。この時は公明が賛成に回ったので可決された」
--現状の議会との関係は
「現市政を継続・発展すべきと考える共産や維新などの『市長支持派』が10人。『反市長派』の自民系会派は議長を含めて13人。公明(6人)が賛成すれば議案が通り、反対や棄権すれば通らないというのが現状だと考えている」
--市長選で後継候補の当選を目指すとして、市議会の方は勢力図をどのようにしたいと考えているのか
「現状、『市長支持派』が10人なので、自公以外の議員を6人増やせれば過半数となるとみている。公明を除いても過半数という状況を作れれば、公明も『市長支持派』に転じると思う。本来、公明は市の施策に賛成のはずだが、私への個人的な事情で感情的になっただけだと思う」
--「院政をしくつもりか」という批判もある
「多くの市民が今の市政の継続を望んでいると考えているので、市民の声に応えるべく次の市長をしっかりと送り出す。市議会も『市長支持派』で占め、安定した市政運営を行える状況を整えて去る。それが私の美学。院政をするくらいなら自分が(選挙に)出るが、もちろん出る考えはない」
--休止中のツイッターの再開時期は
「謹慎、反省の状況に入ると思い、暴言を吐いた直後にやめた。ただ、これまでツイッターを見ていた方への最低限の責任だと思って少し再開し、一定程度の説明を果たしたと思っている。今後、時期は分からないが遠慮することはない」
--市長、市議選以外の今後は
「0から1を作ってそれを安定的に続けられる体制を作るのが得意。既成概念を打ち破り『やればできますよ』と証明していく。市長退任後は政策アドバイザーとして全国を飛び回り、自治体や国に明石市でやってきた政策を伝えていきたい」(倉持亮、喜田あゆみ)