新発田女性殺害「なぜ加害者のうのうと」 遺族陳述 新潟地裁公判

新潟県新発田市で2014年に会社員女性(当時20歳)を殺害したなどとして殺人と強制わいせつ致傷、わいせつ略取誘拐の罪に問われた喜納尚吾被告(39)=服役中=の裁判員裁判の第12回公判が2日、新潟地裁(佐藤英彦裁判長)であり、被告人質問で喜納被告は「覚えていない」「記憶にない」との発言を繰り返した上、改めて事件への関与を全面的に否定した。
「全くかかわっていない」
弁護側は、女性が行方不明になった同年1月15日の行動について質問。喜納被告は「(前日の)夜から朝まで仕事をしていたと思う」と答えた。公判では、元同僚が午前3時ごろまで喜納被告と飲酒していたが二軒目に移動中にいなくなったと証言しており、食い違いを指摘されると「他の人が言うならそうだと思う」と述べた。
さらに女性の死亡には「全くかかわっていない」とし、連れ去りなどについても「記憶にない。そのようなことをしていれば少しでも記憶に残っているはずだ」と述べた。
続いて検察側が、女性の車から女性と喜納被告の混合DNA型が検出されたことについて説明を求めると、喜納被告は「女性と面識はなく、車を運転したこともない。なぜハンドルにDNA型が付着していたのか全くわからない」と説明。また、喜納被告が服役中、母親に宛てた手紙に関し、「反省が見られず読むのが嫌になった。読まずに燃やしている」と母親が話していることを検察官から伝えられると、喜納被告は「今初めて知った」と驚いた様子だった。
これまでの公判では被害女性の遺族が「死刑を求める」などと厳しい処罰感情を示している。遺族の弁護士から受け止めを問われた喜納被告は10秒ほど沈黙。うつむいたまま「気持ちは分かるが自分(が犯人)でないので申し上げられることはない」と述べた。
裁判は7日の次回公判で結審する。
被害者母「地獄のような日々」
この日の公判では被害女性の母親と姉、祖母が意見陳述した。
母親は「人見知りで保育園に行く時には毎日のように大泣きしていた」と幼少期の女性を振り返り、歳の離れた弟が生まれるとおしめを替えたり、おもりをしたりし「遠足の弁当も作ってくれた」と語った。高校時代には成績が優秀だったが家庭のことを考えて進学せず、新潟県の製菓会社に就職したという。
母親は「新発田市に住むことを勧めてしまった。私が選択を間違えなければ娘は生きていたかもしれない」「娘がいなくなってからは地獄のような日々だった。自分を責め、後を追おうと何度も考えた」と声を震わせた。
出廷した遺族はいずれも強い処罰感情を示した。姉は「なぜ加害者はのうのうと生きているのか。一生許すことはできない。死刑にしてほしい。妹の無念を受け止めてほしい」と訴え、祖母は「なぜ孫は殺されなければならなかったのか。絶対に許さない。悔しい。早く死刑にしてほしい。私が殺したい」と憤りをあらわにした。【池田真由香、内田帆ノ佳】