「救出を諦めない」 めぐみさん拉致から45年 新潟で集会

横田めぐみさん(58)=拉致当時(13)=が北朝鮮に拉致されてから今月15日で45年となるのを前に、めぐみさん一家が当時住んでいた新潟県で12日、拉致問題の早期解決を求める県民集会が開かれた。めぐみさんの双子の弟の拓也さん(54)と哲也さん(54)がこの集会では初めてそろって登壇、「絶対に諦めない」と強い決意を口にした。
「忘れるな拉致」と銘打った集会では、母の早紀江さん(86)が川崎市の自宅からオンラインで参加。45年という歳月について、「不可思議な感じといらだちとむなしさで、言葉で表すことができない」と述べた。また、近況について、「だんだんと体調が良くなくなっていくので、元気で(めぐみさんと)会えるのかなという思いなど、いろいろなものが交錯している」と不安を口にした。
その上で「政府には一日も早く日朝首脳会談を実現してほしい」と訴えた。
弟の拓也さんは「拉致は日本の主権が侵害された国家間の問題。政府には、家族会の活動を当たり前のことと思ってもらいたくない」と強い口調で主張。めぐみさんが拉致される前日に父の滋さん=一昨年6月に87歳で死去=にプレゼントしたクシを披露し、「節目の年に絶対諦めない心を伝えるために、母に無理をいって持ってきた」と述べ、再会への切実な思いを吐露した。
哲也さんは、「被害者が北朝鮮にいるのを分かっていながら救出できないという事実を、政府は分かってほしい。全員を救うのが日本人の責務だ」と訴えた。
母のミヨシさん(90)=同(46)=とともに拉致され、平成14年に帰国後は新潟県佐渡市で再会を待つ曽我ひとみさん(63)も出席し、「母はもうすぐ91歳。私にどうか親孝行をさせてほしい」と述べた。
集会は新潟市の市民芸術文化会館で行われ、約650人が参加した。