父親「預けたと…」保育園「保護者に連絡をしたと…」 思い込みの連鎖があったか 車内に置き去りで2歳児死亡 大阪・岸和田市

通報があったのは12日夕方、岸和田市立の保育所の駐車場からでした。
「次女(2歳)が車内で呼吸をしていない」。
父親(33)が異変に気付いたものの、娘は搬送先の病院で死亡が確認されました。
一体、2歳の女の子に何があったのでしょうか。
警察によりますと、父親は12日午前8時前、3人の娘を乗せ自宅を出発。長女と三女を同じ保育所に送り届けます。
続いて次女が通う別の保育所に向かうはずでしたが…午前8時すぎに帰宅。その後、次女を乗せたまま車を駐車場に止めたということです。
そして、再び車に乗ったのは午後5時すぎ。父親は娘らを迎えに行くためまず、次女が通う保育所に向かいました。すると…
(父親)「娘を迎えに来ました」。
(保育所職員)「きょうは来ていません」。
父親が車を確認したところ、後部座席のチャイルドシートでぐったりしている次女を発見しました。
警察の調べに対し、父親は「保育所に預けたと思い込んでいた」と話しているということです。
次女は午前8時ごろから夕方5時までの約9時間、車内に放置されたとみられます。
一方、保育所側は次女が登園していないことに気付けなかったのでしょうか。
岸和田市によると、この保育所では保護者から連絡もなく欠席している子どもについては、保育所側から連絡をするルールになっていました。
12日、保育所側は女の子がいないことに気付き、保護者に連絡をしようとしていましたが…
(岸和田市子ども家庭応援部・子育て施設課課長)「(担当保育士は)受話器をつかんでダイヤルするところまで克明に記憶しておったんですが、ダイヤルしたという形跡は確認されてきませんでした。電話をかける手前で(別の)保護者対応に移って、そのままになってしまったのではないかと考えております」。
保育所側は「保護者に連絡をした」と思い込んでいて、当然折り返しの電話もなく、女の子は欠席扱いに…。
(岸和田市子ども家庭応援部・子育て施設課課長)「お子様への欠席の連絡確認を職員で共有できるように連絡記録簿を作成して、漏れがないかどうか職員で共有できるようにしたいと思っています」。
(羽島寛成大阪府警担当記者):解剖の結果、死因は「熱中症」で長時間、車の中で置き去りになったことが原因とみられています。
警察によりますと、次女が置き去りにされた車には鍵がかかり、窓も締め切っていた状態でチャイルドシートのベルトも締まった状態だったと、父親が警察に説明しているということです。
関係者への取材で、次女は車の3列目の運転席側に設置されたチャイルドシートに座っていたということが新たにわかりました。
運転席からは見えにくく見落としてしまった可能性があるということです。
ただ、故意に放置した形跡は見当たらず、捜査幹部は事件性は低いとみています。
(新潟青陵大学大学院 社会心理学・碓井真史教授):子どもを心から愛する親でも、子どものことを忘れることは起こりえます。
海外では置き去り防止策が進んでいるので、日本も自動車会社や保育所などが社会的に対策に取り組む必要があると思います。