“冬用タイヤ”盗難相次ぐ…オークションサイトで転売か 背景に『タイヤの値上がり』

冬本番を前にタイヤの交換を考えている人も多いのではないでしょうか。そんな中、滋賀県では冬用の「スタッドレスタイヤ」の盗難が相次いでいます。 滋賀県甲賀市に住む男性は11月7日、家の軒下に置いていたスタッドレスタイヤ4本を盗まれていることに気づきました。 (男性) 「家の軒下にラックがあり、そこに車1台分のタイヤが置いてありました。やっぱりガッカリはしますね。いらだちというよりも何かガッカリする。(Qカバーなどはかけていた?(カバーは)かけてはいないです。していないというよりも(雪の)シーズン前なので、はき替える予定だったので外してある」 滋賀県の東南部に位置する甲賀市は冬になると山間部では30cm以上の雪が積もることもあり、路面の凍結も起こりやすいだけに男性は怒りが収まりません。 (男性) 「この地域は雪が降るので、スタッドレスタイヤは絶対必要になってきますから、購入しなければならないなとは思っているんです。痛い出費といったらいいんでしょうかね」 取材を進めると、被害に遭ったのはこの男性だけではないことがわかりました。 (記者リポート) 「男性の民家から数十mほど離れた民家でも同様にタイヤの盗難の被害があったということです」 警察によりますと、甲賀市内では、11月2~7日の6日間に、4軒の住宅でスタッドレスタイヤなど30本が盗まれる事件が相次いだということです。なぜ、タイヤが狙われたのでしょうか。捜査関係者の1人は「盗まれたタイヤの多くがオークションサイトなどで転売されているとみられる」と話します。 実際にオークションサイトを見てみると、多くの中古タイヤが出品されていて、需要の高さをうかがい知ることができます。タイヤ市場で今、何が起きているのでしょうか。販売店に話を聞きました。 (イエローハット水口城南店 大角洋史店長) 「結構値上がりはしていますね。平均で10%以上は各メーカー上がっているかとは思います。『盗まれたし、買い換える』というお客様からもおられるので、そういうのがあると心痛みます」 原材料の価格や物流コストの高騰を受け、タイヤは著しく値上がりしているといいます。例えば、3万6800円で販売されているタイヤについて、去年は2万9800円だったというので、7000円値上がりしていることになります。 (イエローハット水口城南店 大角洋史店長) 「(値上げは)仕方ないということで納得はしていただいているんですけれども、『やっぱり高いな』と言われますね」 一方、比較的値段が安いオークションサイトでの購入にはリスクもあると指摘します。 (イエローハット水口城南店 大角洋史店長) 「使えるスタッドレスタイヤ、使えないスタッドレスタイヤというのをしっかりとご自身で判断していただく必要がある。実際に触ってやわらかいとか、なかなか画像では判断できません。溝があってやわらかくないとを雪をひっかかないので、そういった意味では溝がないとそのまま滑ってしまう可能性があります」 タイヤ盗難の対策について、防犯アドバイザーの京師美佳さんに話を聞きました。京師さんによりますと、外に置きっぱなしのタイヤは、盗難のリスクだけでなく放火のリスクもあるということです。そのため、タイヤはできるだけ鍵付きの物置や室内に入れるのがベストだとしています。スペースがない場合は、貸倉庫やタイヤを預けるサービスを使うのも1つだということです。こうした対策が難しいという人には、タイヤの付近に“防犯ステッカー”を貼っておく方法があり、そういったものが犯人の目に入るだけで盗難の抑止効果になるということです。