大学生からの依頼で、就職活動のウェブテストの“替え玉受験”を行っていたエリート社員が逮捕された。“替え玉受験”は、かなり広く行われていたようだ。
11月21日正午すぎの東京駅。
捜査員に両脇を抱えられ、うつむきながら歩くのは、就職活動のウェブテストで不正に替え玉受験をした疑いで逮捕された、関西電力社員の田中信人容疑者(28)だ。
田中容疑者とみられるSNSの投稿には
ずっとテストをやってました~ 依頼殺到してて追いついてないです。笑 さすがに物理的に時間足らんくなったら断るので依頼される方はお早めに連絡ください~
などと書かれていた。
言葉巧みに就活生を勧誘していた田中容疑者。 田中容疑者: 4年ほど前から仲間内でやっていた。これまで4000件くらい代行している。
田中容疑者は2022年4月、クレジットカード会社の新卒採用試験を受ける都内の女子大学生(22)から依頼を受けた。
そして、女子大学生が企業側から与えられたWEBテストのIDとパスワードを受け取って替え玉として受験。2科目で4000円の報酬を受け取っていた。
他にも、この女子大学生からの依頼で23社のテストを代行し、合わせて10万円以上を受け取ったという。
田中容疑者は、自身のツイッターに「京都大学大学院卒」「ウェブテ(※ウェブテスト)請負経験約4年」「通過率95%以上」などとうたい、依頼者を募集。
2022年1月以降だけで、約300人から替え玉受験を請け負い、約400万円を受け取ったとみられる。
ツイッターには、「採用が決まった」と報告してきた依頼者とのLINEのやりとりの画像なども投稿していた。
田中容疑者は、「やっているうちに学生に感謝されたり、それでお金をもらえてやりがいを持っていた」と供述し、容疑を認めているという。
関係者によると、田中容疑者は2021年1月に外資系コンサルタント会社から関西電力に転職していて、「給料が少ない」と周囲に話していたという。
就活のWEBテスト代行業者が摘発されるのは全国で初めてだ。
コロナ禍で採用試験に導入する企業が増えた“ウェブテスト”は、自宅などで受験できるため不正防止対策が課題になっていて、企業側も危機感を強めていた。
ウェブテストを企業に提供するヒューマネージ・戸倉大輔さん: 企業の人事の方々に「受験者の不正行為に懸念があるか」というアンケートをとっている。2022年は、57%の企業が懸念があると(回答した)
一方、就活を控えた大学生からは、ウェブテストの替え玉受験について生々しい声が聞かれた。
女子大学生: (不正)やってる人はやってるので、当たり前なんじゃないかな。友達に「協力して」って(頼む)のが多い。
ーーどれくらいの罪になる感覚? 女子大学生: 罰金とか(ぐらいの感覚)ですかね。
男子大学生: (不正してる人)結構いるような気がしてて、(試験を解く)人脈があるかないかのテストなのかな。先輩で頭いい友達に受けてもらってるの聞いたことがある。そんなに罪悪感はないんだと思います。
こうした状況を受け、代表的なウェブテストの一つを開発した企業では、不正対策を強化していた。
リクルートマネジメントソリューションズ・園田友樹さん: (2021年7月にコロナをきっかけに)オンライン上でも監督ができるサービスを提供し始めた。 試験中にどういった行為がなされているのか、直接把握しながら不正につながる行為を確認していたりを進めている。
替え玉受験を依頼した女子大学生も11月22日、書類送検された。 榎並大二郎キャスター: こうしたウェブテストは、効率的だけど不正を生む穴もあるわけで、真面目に受けている人のためにも対策は必要です。何よりも替え玉に頼るような行為をすれば見透かされますし、結局全部自分に返ってきてしまうように思います。
(「イット!」11月22日放送より)