五輪談合、電通グループ企業にも捜索 疑惑は落札9社中8社に

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が発注したテスト大会の計画立案業務を巡る談合事件で、東京地検特捜部と公正取引委員会は29日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で新たに広告最大手「電通」のグループ企業でイベント会社「電通ライブ」(東京都千代田区)に家宅捜索に入った。落札企業への捜索は25、28日に続き3日目で、談合への関与が疑われる企業は落札した9社中8社となった。
組織委は2018年にテスト大会の計画立案業務26件の一般競争入札を行い、9社が総額約5億3000万円で落札した。電通ライブの他に談合の疑いがあるのは、電通▽博報堂▽ADKホールディングス▽東急エージェンシーの広告4社と、セレスポ▽セイムトゥー▽フジクリエイティブコーポレーション(FCC)のイベント制作3社。
関係者によると、テスト大会の運営は組織委大会運営局が担い、同局には複数の落札企業の社員が出向していた。電通からの出向者らが入札前に各企業がどの競技会場を希望しているかを確認し、「割り振り表」を作成して企業側と共有した疑いがある。実際の受注もほぼ表の通りになっていたといい、特捜部と公取委は同局元次長の自宅を家宅捜索するなど受注先だけでなく、組織委側の関与も調べている。【柿崎誠、二村祐士朗】