名古屋市営地下鉄で居眠り運転 テレビ局に動画寄せられ発覚

名古屋市交通局は30日、市営地下鉄名城線で乗務中の運転士(48)が、一時的に居眠りをしていたと発表した。ハンドルから手を離すなど、居眠りと思われる様子を撮影した動画がテレビ局に寄せられたことから発覚。交通局側の聞き取りに運転士も居眠りを認めているという。
同交通局によると、運転士が一時的に居眠りしていたのは、同日午前9時7~49分に走行していた名城線総合リハビリセンター―東別院間の車内。同区間は計19駅あるが、運転士はどの区間で眠っていたか「覚えていない」と話しているという。
名城線では自動列車運転装置を導入。停車駅が近付くと自動でブレーキがかかるため、オーバーランはなく、乗客約270人にけがはなかった。運転士の手動によるドアの開閉や車両の発車は時間通り行われていたという。
テレビ局に寄せられたという10~20秒の計3本の映像を交通局が確認したところ、運転士は下を向いたり、非常時の操作ハンドルから手を離したりするなど通常の運転姿勢ではなく、居眠りと思われる様子だったという。
運転士の体調に変わったところはなく、薬の服用もなかったという。同交通局は「職責の重さについて指導を徹底し、再発防止に努める」とコメントしている。【酒井志帆】