ワクチン接種後に死亡した女性の遺族 弔問せぬ市長に憤り

愛知県愛西市の新型コロナワクチン集団接種会場で接種後に女性が死亡した事案について、同市議会12月定例会の一般質問で6日、日永貴章市長が「我々としても責任がある」と言及した。しかし日永市長は遺族宅を一度も弔問に訪れておらず、「遺族の気持ちに寄り添うような関わりを」と議員から批判の声が上がった。
吉川三津子議員が3度にわたり弔問について質問した。日永市長は「まずは医療法に基づく医療事故調査委員会を設置し、しっかりと協議していただくことが先決。その調査結果を真摯(しんし)に受け止め、対応させていただくべきだと考えている」と述べた。
また当日の接種体制について、海部医師会が作成した「ワクチン接種マニュアル」や緊急時の役割分担などを医師や看護師らが把握していたかとの吉川議員の質問に対し、担当部長は「各種マニュアルについては接種担当者が把握し、共有もしている」と答えた。
亡くなった飯岡綾乃さん(42)の夫・英治さん(45)も傍聴に訪れ、一般質問後に報道陣の取材に応じた。今月中に発足予定の医療事故調査委員会について、綾乃さんの月命日にあたる5日に担当部長らが説明に訪れたことを明かし、「(市長も一緒に)来るかなと期待していた。市長に線香を1本上げてもらい、『今後調査していく』と言ってほしかった」と憤り、「市として心の通った対応をしてもらいたい」と訴えた。【加藤沙波】