地方議員の不足 住民の幅広い参画を促したい

地方議員を志す人が減り、議会の質の低下が懸念されている。様々な手段を講じ、議員のなり手を確保していきたい。
政府の地方制度調査会の小委員会が、地方議会改革に関する答申案をまとめた。女性や若者の参加促進に向け、各議会が主体的に取り組み、官民も協力するよう提言した。調査会は近く答申を正式決定する。
地方議員のなり手不足は深刻だ。2019年の統一地方選では、都道府県議の27%、町村議の23%がそれぞれ無投票当選となり、ともに過去最高だった。定数割れとなった議会も8町村あった。
議会が成り立たないとして、住民が予算案などを直接審議する「町村総会」の開催を検討した村もあった。今後、人口減少と過疎化が進めば、同様の自治体が増えることが想定される。
身近な暮らしの課題に向き合う議会の機能が低下すれば、地方は衰退する一方だ。
答申案は、会社員が立候補しやすくするため、企業が立候補に伴う休暇制度を設けたり、議員との兼業を認めたりするよう、国に働きかけを求めた。
ただ、人手不足に悩む中小企業も多い。企業の実情に応じ、可能な範囲で協力してもらいたい。
地方議会の構成は、偏りが目立つ。女性の割合は都道府県、市区、町村のいずれも1割台にとどまる。60歳以上の割合は市区で57%、町村では77%に達している。
多様な人材を確保するには、各議会の工夫が不可欠だ。夜間・休日の議会開催は、有効な手段だろう。住民との政策論議の機会を充実させ、議会に関心を持ってもらうことも必要だ。
答申案は、小規模な議会に対し、議員報酬の水準を見直すよう促した。都道府県議の平均月額は81万円だが、市議は41万円、町村議は22万円にとどまっている。
小規模議会の報酬は、兼業を前提に支給されており、実際、8割近い町村議は農林業などの職を持っている。現状の水準では、専業の議員を増やすのは難しい。住民の理解を得つつ、報酬を引き上げることも検討してはどうか。
地方議会では、政務活動費の不正受給やハラスメントなどの問題が後を絶たない。こうした不祥事は、議会が敬遠される一因となっている。各議員が襟を正し、信頼を高めていくことが大切だ。
日頃から住民とふれ合うことの多い地方議員は、国政政党を支える重要な存在でもある。与野党は、問題を放置してはならない。