「子どもの声うるさい」近隣苦情で公園廃止、荻原健司市長「個人攻撃の様相を危惧」

近隣世帯の苦情が続き、長野市青木島町大塚の公園「青木島遊園地」が年度末で廃止されることがSNSなどで話題となり、市にも電話やメールなどで300件を超える意見が寄せられている。荻原健司市長は9日の市議会12月定例会本会議で、公園廃止の方針をただす一般質問に対し、「非常に苦しい判断ではあるが、手続きを進めさせていただきたい」と述べ、結論を維持する考えを示した。
市によると、青木島遊園地は地元区長会の要望を受けて、2004年に設置されたが、当初から近隣の1世帯が「子どもの声がうるさい」などの苦情を寄せていた。昨年3月、この住民が隣接する児童センターに「子どもは5人程度に。声を出さず静かに遊ばせてほしい」と要望すると、事実上公園を利用させられなくなった同センターは維持・管理を担えなくなり、地元区長会が今年1月に市に廃止要望書を提出した。
この日の本会議で、北沢善幸・都市整備部長は、廃止の経緯について、「長年のハード、ソフト対策を行い、遊び方を工夫することで静かな環境につながるよう努力をしてきた」とし、「(苦情を寄せた)ひとりの意見で廃止を判断したわけではない」と説明した。
今後の方向性について、荻原市長は「18年間は、非常に長い期間だったと思う。地域の話し合いの結果として廃止要望が出された」とし、変更しない立場を示した。
青木島遊園地の廃止は、報道やインターネット上などで、全国的に高い関心を集めている。
市には、9日夕方時点で計約350件の意見が電話・メールで寄せられており、多くが「どうして廃止するのか」「なくさないでほしい」といった内容だという。
一方、SNS上などでは著名人や芸能人らが話題にあげ、個人情報など苦情を寄せた住民が特定されかねない投稿も一部に見受けられる。
荻原市長は同日の答弁で、「個人攻撃の様相が見られることを危惧している」とし、「行政は個人の特定につながらないよう配慮している。この場を借りて協力をお願いしたい」と呼びかけた。
騒音問題に詳しい八戸工業大の橋本典久名誉教授(音環境工学)は「廃止という市の対応は、少し過剰ではないか」と指摘。その上で「問題解決には、当事者の不満を解消することが不可欠。話し合いを深めることはできなかったのだろうか」と疑問を呈している。