王将社長射殺から9年 指示系統や動機…遺族「全て明らかに」

「餃子の王将」を全国展開する王将フードサービス(京都市山科区)の社長だった大東隆行さん(当時72歳)が射殺された事件は19日、発生から9年を迎えた。特定危険指定暴力団・工藤会系組幹部、田中幸雄被告(56)が殺人などの罪で起訴されたが、指示系統や動機は明らかになっておらず、全容解明には至っていない。大東さんの遺族はコメントを発表し、「今後の捜査で背後関係を含め事件の真相を全て明らかにしてもらいたい」と訴えた。
王将を巡っては、創業家と関係が深い企業グループと不適切取引が繰り返されていた。不透明な貸し付けや不動産取引などで約200億円が流出したとされ、第三者委員会の調査報告書などでは、創業家出身の元役員が一連の取引を主導したと指摘された。京都府警と福岡県警の合同捜査本部は、海外にいたこの元役員からも任意で事情を聴いたが、事件への関与を否定したという。
企業グループの元経営者についても、捜査本部は関係先を家宅捜索し、任意で事情を聴いたが、関与を示す証拠は見つかっていないとみられる。
捜査本部は田中被告は銃撃の実行役とみており、起訴状では「氏名不詳者らと共謀の上」と記された。何者かが殺害を指示・依頼した可能性があるが、田中被告は事件について黙秘を続けており、捜査幹部は「背後関係の解明は最も難しい。かなり時間がかかるだろう」と話す。
大東さんの長男剛志さんは府警を通じてコメントを発表。「一生忘れる事のない大切な父親の命を奪われたあの日から丸9年という長い月日がたちました」と振り返り、容疑者が逮捕されてから2カ月近くが過ぎたことについては「極刑を望む気持ちに何ら変わりはありません」と心境を吐露した。
大東さんの長男剛志さんが発表したコメントは以下の通り。

私たち遺族にとって、一生忘れる事のない大切な父親の命を奪われたあの日から丸9年という長い月日がたちました。
犯人が逮捕され約2カ月がたち、極刑を望む気持ちに何ら変わりはありません。
警察には今後の捜査で背後関係を含め事件の真相を全て明らかにしてもらいたいと思います。
犯人逮捕後も多くの方々から私たち家族に対し、励ましや温かい言葉をいただき、本当に心の支えとなり感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
最後にマスコミの皆様へのお願いです。現在私たちが置かれている状況、心情などをご斟酌(しんしゃく)いただき、我々遺族に向けての取材等は控えていただきますようお願い申し上げます。
大東剛志