「国葬対象者の基準作りは困難」有識者の意見相次ぐ…「説明不足」の指摘も

政府は22日、9月に実施した安倍晋三・元首相の国葬に関する検証結果を公表した。意見を聴取した有識者からは、誰を国葬の対象にするかという「基準作りは困難だ」との意見が相次いだ。今回の国葬実施には肯定的な評価が出た一方で、政府の「説明が足りない」と指摘する意見もあった。
意見聴取は、憲法や行政法の専門家や、メディア関係者ら有識者21人を対象に対面形式で行われた。〈1〉法的根拠と憲法との関係〈2〉実施の意義〈3〉国会との関係〈4〉国民の理解〈5〉対象者〈6〉経費や規模の妥当性――の論点ごとに見解を尋ねた。
対象者を巡っては、「誰を対象とするかコンセンサス(合意)を得るのは困難」(武田真一郎・成蹊大教授)など、事前の基準作りは難しいとの見方が多数を占めた。「政治家の評価は極めて難しい。その時々の政府が判断するのは当然」(君塚直隆・関東学院大教授)との意見もあった。
国会との関係では「閣議決定で国葬を行うことは妥当」(坂元一哉・大阪大名誉教授)との意見があった一方、「国会で超党派的な合意の下で行うことが望ましかった」(細谷雄一・慶応大教授)との指摘もあった。三権の長に対する意見聴取や野党への説明が必要だったとの声も出た。
実施の意義について「国民の喪失感を埋めた」「テロに屈しない姿勢を示した」など、肯定的な評価が多かったが、一部には「国民の間に対立が残った」との批判もあった。
国民の理解に関しては実施の適切さや法的根拠、式次第などに関して説明が足りないとの意見が出た。
政府は国会の関与などについて「一定のルールを設けることを目指す」(松野官房長官)との立場で、今後、検証結果を国会に提示する方針だ。
一方、国葬の費用は速報段階の約12億4000万円から、約12億円に修正した。