「政治とカネ」を巡る問題が相次ぎ発覚した秋葉賢也復興相が27日、更迭された。わずか2カ月余りで4人目の閣僚が辞任する異例の事態。〝辞任ドミノ〟が止まらず、識者からも岸田文雄政権に対する厳しい反応が相次いでいる。来年1月召集の通常国会に向け、政権の立て直しを図ることは可能なのか。
「人事は私が決めることではないのでコメントできない」。秋葉氏は復興相として臨んだ27日の閣議後記者会見でこう述べ、苦渋の表情を浮かべた。この時点では進退について明言を避け、「被災地に迷惑をかけたり、復興が停滞したりすることは避けなければならない」としたが、その後、官邸へ向かうと岸田首相に辞表を提出した。
辞任した秋葉氏については自民党内でも交代論が強まっていた。麗澤大の川上和久教授(政治心理学)は「短期間に4人も辞任しており、閣僚が本当に適任だったのか問われる事態。この内閣は、その発足時点から甘かったのではないか」と、閣僚を任命した岸田首相にも厳しい目を向ける。
「官僚と連携し、落ち着いて日本を立て直してくれると思っていたが…」と悔しがるのは、経済小説「ハゲタカ」シリーズの著者で小説家の真山仁さん。昨年9月の自民党総裁選の時点では岸田氏の「調整力」に期待を抱いていたという。
しかし、「最近の岸田氏は自分の独断的な決断を引っ込めることができなくなり、打つ手がことごとく悪手になっている」と指摘。岸田政権の「分岐点」は安倍晋三元首相の国葬(国葬儀)の決断だったとし、「岸田氏の周りに彼をサポートする政治家がいないのではないか」と分析する。
ロシアによるウクライナ侵攻や台湾情勢の緊迫化など安全保障環境は厳しさを増している。だが、防衛費増額の財源を巡っては増税議論が先行しているとの印象を受けた国民も少なくない。川上教授は「日本の安全を守るために何が求められるのか。首相が国民に向けて積極的にメッセージを発信すべきだ」と強調。真山さんも、政権浮揚のカギは「その国民への発信にかかっている」とみる。
一方、「無駄な支出を省けば、増税せずとも防衛費の増額はできると思う」と訴えるのは、女性講談師として活躍する神田蘭さん。剣が峰に立たされる岸田氏に対しては、「国のトップどころか企業のトップに向いていなかった」と〝落第〟の評価を下す。「日本国民、国益を守るという気概と覚悟が感じられない」というのが理由だ。
新型コロナウイルス対策も、感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げる判断が遅いとの見方を示し、「日本をどう導きたいのか分からない。結局、政権を維持するための保身しか考えていないのではないか」と話した。