【特集】若者に広がる大麻 経験者が語る恐ろしさ 実態と対策は

2022年千葉県内でも検挙の多さが課題となっている「若者に広がる大麻 その実態と対策」についてお伝えします。
Q.今考えると、大麻はどんな存在? 千葉ダルク入所者 ダイチさん 「何だろうな… 面白いものだった。それでいろいろなものを失っているけど…」
こう話すのは、依存症回復施設「千葉ダルク」に入所するダイチさん39歳です。ダイチさんは、18歳の春ごろ、パイプに入れる方法で大麻を初めて吸いました。
千葉ダルク入所者 ダイチさん 「初めてやったのは先輩たちと遊んでいるときとかに、興味本位で、好奇心で、最初は、僕から『やりたいんだ』『大麻をやりたいんだ』と。その先輩に言いましたね」
仕事終わりにタバコのように気軽に吸うなど、大麻が日課になっていたというダイチさん。大麻をきっかけに、ほかの違法薬物にも手を出した結果、28歳のころ、都内でコカインを使用したなどとして逮捕されました。
千葉ダルク入所者 ダイチさん 「コンビニから駅に行く、道の間で。意識を失った。もう吸いすぎですよね」
ダイチさんは、執行猶予付きの有罪判決を受けた後、薬物依存からの回復を目指し、ダルクに入所しました。
この日は、自分自身の依存症と向き合おうと、過去に薬物やアルコールに依存した人たちが、それぞれの経験を語り合っていました。
ダイチさんは、こうしたプログラムで更生を図っていますが、入所するきっかけとなった違法薬物については、悔やむ思いもぬぐえません。
千葉ダルク入所者 ダイチさん 「仲良い友達を裏切ったりとか、母ちゃん蹴ったりもそうだし。いろんな大事なことをすっぽかしたりとか、いろんなことを迷惑かけている。そういう後悔がでかいですね自分は」
県警のまとめによりますと、2021年に、大麻を所持するなどして検挙された20代以下は134人で、これは全体の7割にあたります。
2022年もこの傾向は続いているうえ、20歳未満の少年に限ってみてみると、2017年の5人から、2021年は32人まで増加していて、5年間で6倍以上と急増していることも伺えます。
いまの若者は、大麻をどうとらえているのか。街で聞いてみました。
若者は- 「やったら離れられないイメージある」 「無視する。極力関わらない」
一方で- 「『別に外国だったら普通だし』とか言われて、まあ確かにそれもそうかなというのは実際に思った」
こうした中、警察と大学が対策に乗り出しました。東金市にある城西国際大学の学生らが県警の依頼を受けて、VR=仮想現実の動画を制作して、若者の大麻使用を防ごうという取り組みを始めたのです。
学生らは、当事者から話を聞いたうえで、映像制作にいかそうと、大麻を使用したことのある人にオンラインでインタビューしました。その中にはダイチさんの姿も…
千葉ダルク入所者 ダイチさん 「罪悪感は最初のうちは僕も少しありましたけど、それもとれて、大麻を吸うことが楽しくてしょうがないし、それが普通になっていた」
学生らは、2023年3月の完成に向けて、現在、試作の映像を制作しているということです。
学生は- 「(この取り組みで大麻を)吸いたくなるみたいなのが、どれだけ怖いのか改めて分かったと思う」 「大麻とか覚せい剤って、すごく危ないんだっていうことを伝えられるような動画を作りたいなと思う」
若いころに大麻を使用したことから、人生が一変したというダイチさん。大麻の恐ろしさを知らない若者に向けて、「自身を反面教師にしてほしい」と呼びかけます。
千葉ダルク入所者 ダイチさん 「恥かいたりとか、人に相手されなかったりとか、そういう人生になってしまった。もう全くの社会不適合者になってしまった。そうなる確率は薬にもある。(依存症に)なって人生終わる。それだけ。薬だけ。そうなっちゃうよって」
最新の検挙人数 県警によると、大麻を所持するなどして2022年に検挙されたのは、11月末時点で、過去最多を更新する199人で、このうち20代以下は148人だということです。
県警幹部によると、そもそもの価格が安いことに加え、ソーシャルメディアの発達によって、誰もが簡単に大麻を入手できるようになっているということです。また、「周りに流されてしまう若者」が依然多いのではという指摘もありました。
警察庁のまとめによると、2021年、20歳未満で大麻を初めて使用した動機の中で、最も多いのは、「好奇心や興味本位」の55%あまり、次に「その場の雰囲気」が22%あまりでした。
今回、大学生のころ、友人に勧められて大麻を使用したというダルクの職員にもインタビューさせて頂きました。男性は大麻をきっかけに、より高揚感を得ようと、20日分の別の薬を1度に服用したり、さらに親に学費と嘘をついて薬を買うためのお金をもらったりしていたといいます。 何より、家族に迷惑をかけたことを後悔している様子でした。
男性は、頭ごなしに単に大麻はダメと伝えるのではなく、若者が依存症の実態を知ることの出来る土壌作りが必要だと話していました。