住民が感じた「異変」 容疑者が車を逆向きに駐車 地元住民「憤り感じる」 大阪4人死傷ひき逃げ

堺市中区の市道で27日夜、4人が車にはねられ、2人が死亡したひき逃げ事件で、大阪府警中堺署は28日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、同市中区小阪西町の建設作業員、猪木康之容疑者(49)を逮捕した。
猪木容疑者の自宅近くに住む看護師の女性(46)は28日朝、猪木容疑者の家の前を犬の散歩のため通りがかり、ある「異変」に気づいた。「いつもガレージに黒色の車のフロント部分を道路側に向けて駐車していたが、その日は逆向きだったので、不思議に思った」。
女性は猪木容疑者がその日の朝、外出するところを目撃。「仕事に行くのかなと思った」。その後、猪木容疑者の自宅周辺には警察官が集まっていた。「ふと猪木容疑者の車を見ると、前の方がぼこぼこになっていた。まさかひき逃げ事件を起こしていたなんて…」と驚いた様子だった。
近くに住む60代の女性は「猪木容疑者は数年前から今の家に住んでいるが、あいさつを交わしたこともない。地元自治会にも入っていないし、近所付き合いはないだろう」と話した。
一方、容疑者逮捕を受け、周辺住民からは怒りの声が聞かれた。地元町内会の谷野一彦会長(64)は、「人をはねたことが分からないはずはなく、憤りを感じる」と語気を強めた。
死亡した大阪市職員の山中正規(まさのり)さん(46)=堺市中区小阪=と内装業の村上伸治さん(47)=同=は、夜間パトロールや、子供会のソフトボールチームの指導など地域のために熱心に活動してきた。谷野会長は「遺族の心情を考えると胸が苦しい。町内会としては今は遺族の心のケアを最優先したい」と語った。
現場となった道路脇には、地元の有志により献花台が設置され、花束や飲み物が供えられていた。手を合わせていた近くに住む60代の男性は「ゆくゆくは地域をまとめる存在となる人を失い、残念でならない」とうつむいた。