北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさん(63)と一緒に新潟県佐渡市で連れ去られた母ミヨシさん(当時46歳)が28日、91歳を迎えた。曽我さんは読売新聞の書面取材に応じ、「ごちそうを一緒に食べられる日が来てほしい」と母への心境を吐露した。
ミヨシさんは1978年8月12日、自宅近くで曽我さんと一緒に拉致された。北朝鮮は2002年9月、日朝首脳会談で拉致を認め、曽我さんは同年10月15日に帰国を果たしたが、ミヨシさんの消息は不明だ。
曽我さんは、ミヨシさんが誕生日を迎えたことについて、「誕生日が来るたび、残された時間が減ることを残念に思う。一緒にお祝いができたらどんなにいいか」と記した。
今年は日朝首脳会談から20年の節目となる。曽我さんは市内での署名活動や小中学校での講演を通じ、若年層への啓発活動を続けている。拉致問題が進展しない中、新年を迎えることに曽我さんは、「被害者全員の帰国が実現出来ず、むなしく感じる」と打ち明けた。
一方、「親、兄弟姉妹に再会したい一心で活動する家族会を見ていると、頑張ろうと気持ちが引き締まる」ともつづった。来年に向けては、「日朝首脳会談が実現し、被害者全員が帰国して、家族と楽しい時間を過ごせる一年になってほしい」と願いを込めた。