年々狭くなる自宅の収納スペース、宅配トランクルームで最安目指すsharekuraの新サービス

新しいマンションの収納スペースが年々小さくなっていることをご存じだろうか? 減っている収納スペースを補う形で、年々市場規模が拡大しているのが、荷物を預るトランクルームサービスだ。

宅配型のトランクルームサービスsharekuraを運営するデータサイエンスプロフェッショナルズ(東京都中央区)によると、2004年から17年までの14年間で、新築マンションの平均販売価格は1.3倍に上昇。一方で、賃金水準は平均すると下落している。

買う人の賃金が伸びていないため、自然とひとつひとつの新築マンションは狭くなっている。「新築マンションの面積が、この10年で10~20%ほど縮小した」とデータサイエンスプロフェッショナルズの内山明夫社長は話す。面積は狭くなってもリビングの広さは確保したい。そうなると、しわ寄せがくるのが収納スペースだ。収納スペースの理想は、マンション面積の8~10%といわれているが、現在は4~5%程度しかないのが実情となっている。

自宅の収納代わりに使えるトランクルーム
こうした背景の中、毎年9%程度のペースで市場規模が拡大しているのがトランクルームサービスだ。矢野経済研究所の調査によると、18年度の国内収納サービスの市場規模は743億円にのぼり、今後さらに拡大が続くと見込まれている。

18年末時点でレンタル収納、コンテナ収納の室数は52万室超に達し、そのうち6割が首都圏に集中している。実に57世帯に1つ外部収納スペースがある計算だ。矢野経済研究所によると、増加の理由は新規参入事業者などによる積極的な展開が理由。しかし「米国では10世帯に1室くらいある」(内山氏)といわれており、拡大の余地は大きい。自宅の収納スペースが小さいという、潜在的なニーズを捉えて、各社が拡大にはずみをつけている。

市場は伸びているわけだが、一口にトランクルームサービスといっても、サービスはさまざまだ。スペースを貸し出し利用者が自分で荷物を置くタイプでは、都心部でも各地に見かけるようになったキュラーズなどが有名だ。

一方で、宅配便を活用し、自宅から荷物の出し入れを行えるサービスは新規参入が相次いでいる。倉庫業者と組んで、賃料の安い地域の倉庫を使うことで料金を抑えている。寺田倉庫のminikuraなどが有名だ。

そんな中、大和ハウスグループが運営する倉庫と組んで、「業界最安値」(内山氏)を狙うのがsharekuraだ。30センチx30センチx20センチの小さめのダンボールの場合、月額保管料180円(税別)という料金をつけた(取出料は500円)。

内山氏は、トランクルームを借りるよりも安く、マンション価格から計算すると自宅に置くよりも安く荷物を保管できると、コスト優位性に自信を見せる。35センチ四方サイズのダンボールを5箱預けた場合、現在キャンペーン価格で月額料金は1250円。この量の荷物を保管するのには0.2畳程度の広さが必要になるが、マンションの平米単価から逆算すると月当たりの費用は2500円、一般的なトランクルームでは3500円程度かかり、都心部ではさらに値段が上がる。

新築マンションデベロッパーと連携し、最初から外部収納として使ってもらう
sharekuraの事業モデルは、マンションのデベロッパーと連携し、新築マンションを販売する際に購入者に契約してもらうというものだ。新築マンションの収納スペースは減少しているが、同社のサービスを使ってもらうことで収納スペースを補うことができる。既に大手デベロッパー20社のうち10社とは契約が進んでおり、マンションの購入予定者に案内したところ、「かなり高い率で実際に契約してもらっている」(内山氏)という。

マンション単位で契約者を募ることで、別のメリットもある。sharekuraでは、自社でトラックをチャーターし、提携マンションを定期的に周回することで、取り出しの送料を無料にするサービスを進めている。周回頻度は月に1回程度だが、急ぎでなければ月額保管料だけで荷物を預けることができる。

ちょっとユニークなのは、9月から開始したゴルフバックやスキー、スノーボードなどの預け入れだ。こちらは、倉庫から直接ゴルフ場やスキー場に発送が可能。使い終わったら、また倉庫に直接返送する。大型のかさばる荷物を、使いたいときだけ使いたいところで利用できるサービスだ。

競合他社との差別化としては、「荷物を、自宅で保管するのと同じように使えるようにしたい」と内山氏は言う。季節によって使わない洋服を預けるニーズには、各社が対応しているが、そのほかの捨てたくはないがかさばる荷物を、自宅と同じように保管できることを目指す。「着物や布団、五月人形などを預かってほしいという声をもらうことがある」(内山氏)

そのために、荷物の保管状態には気を使う。「壊してしまったら補償はこちらがする。事業者として責任をもって管理する」と内山氏。

「洋服を預かったらたたんで、薄いビニールに個別に包んで保管している。せっかく捨てずに取っておくものなので、お返ししたときにすぐに気持ちよく使ってもらえる価値を提供したい」