倒閣の狼煙なのか──。菅義偉前首相が、10日発売の月刊誌「文藝春秋」(2月号)のインタビューに応じ、岸田首相を痛烈に批判している。
「派閥政治と決別せよ」とのタイトルのインタビューは、冒頭から<皆さんの中には、国民の声が政治に届きにくいと感じている方も多いと思います>と、政治と国民の間に距離があると指摘し、<その一つの要因に、派閥の存在があると考えます>と持論を展開している。
そのうえで、岸田政治を派閥政治だとバッサリ切っている。
<岸田文雄総理はそんな昔に戻ったとまでは言いませんが、派閥とうまく付き合いながら人事を決めていると思います。岸田総理は未だに派閥の会長を続けています(略)国民にどう見えるかを意識する必要があります。派閥政治を引きずっているというメッセージになって、国民の見る目は厳しくなると思います>
実際、岸田政権は、朝日新聞に「派閥の合従体制」「人より派閥」「3大派閥が支える」と揶揄されるほど、人事から政策まで、派閥の論理が優先される典型的な派閥政治になっている。
■菅氏は昨年末からメディアへの露出増
菅氏は“岸田降ろし”に動くのか。
「策士の菅さんは、さすがに“反党行為”と取られるような露骨な動きはしないでしょう。文藝春秋のインタビューも、岸田さんが嫌がるところを突いているが、正論を口にしているだけで直接、岸田批判はしていない。菅さんの周辺は、岸田内閣は5月の広島サミットまでだと踏んでいます。菅さんは、その時に備えて布石を打ちはじめているのでしょう。仲間内の会合でも“岸田嫌い”を隠そうとしないといいます。昨年末からメディアへの露出を増やしているが、さらに露出を増やして岸田首相を揺さぶっていくはずです」(自民党関係者)
10日は、政府が進める「異次元の少子化対策」の財源について、「消費税の増税は全く考えていない」と、消費税増税で賄うことに異論を唱えて岸田政権を揺さぶっている。
社会調査研究センターが実施した世論調査では、岸田首相に「早く辞めてほしい」34%、「広島サミットまで」12%と、半数近くの46%が今年前半の退陣を求めている。
「岸田官邸も、菅氏周辺が揺さぶりをかけていることはわかっています。キツイのは国民の支持が離れるほど、主流派閥に頼らざるを得なくなることです。菅さんの指摘が信憑性を増してしまうジレンマがあります」(官邸事情通)
国民の支持を失った岸田政権は、どんどん追いつめられている。