米国の政治リスク調査会社「ユーラシアグループ」が発表した「今年の10大リスク」は、「ならず者国家ロシア」がトップ、「『絶対的権力者』習近平」が2番目だったことが先週ニュースになったが、このリポートには、10大リスクの他に「リスクもどき」という項目があるのをご存じか。
英語では「Red herrings」と記され、「人を惑わすような情報」「本題から目をそらさせる偽情報」という意味がある。つまり、リスクのように騒がれているが、騙されちゃいけない、という“警告”のようなもので、そのひとつとして「台湾危機」が挙げられている。
リポートによれば、「台湾危機」が「リスクもどき」である理由はこうだ。
<昨年の(台湾の)地方選挙では、統一志向の野党・国民党の力が弱まるどころか、より強くなった>
<ホワイトハウスは正式な安全保障や、北京のレッドラインを越えて台湾を主権国家として承認することは考えていない>
<バイデンと習近平は、危機を望んでいるわけではないと何度も明確に伝え合っている>
<第一に、米国と中国はともに国内の課題──つまり米国はインフレ、中国は成長鈍化と世界的な景気後退の可能性──に追われており、軍事衝突すればこれらの課題は飛躍的に大きなものになる。第二に中国は米国主導の強力な制裁を受けており、台湾に侵攻すれば台湾積体電路製造(TSMC)が生産する重要な半導体へのアクセスも失ってしまう。第三に、中国と米国は、緊張関係が続き相互依存を減らそうとしているが、経済的に深く絡み合っており、当分それは変わらない。近い将来の軍事衝突は、相互確証的な経済破壊を導く>
■昨年も「リスクもどき」と分析
ユーラシアグループは昨年も「台湾の苦境」を「リスクもどき」と分析していた。それに実際、昨年11月の米中首脳会談後のバイデン米大統領や米軍トップのミリー統合参謀本部議長も「中国側に台湾侵攻の差し迫った意図はない」と発言している。そんな中で「台湾有事は日本有事」と、明日にも起こるかのように大騒ぎしているのが岸田政権。台湾有事を理由に防衛費倍増に突き進むのは、明らかに国民騙しだ。
「『台湾有事は日本有事』の言い出しっぺは安倍元首相でした。安倍氏が軍需産業が求める大軍拡要請に応えて、緊張を煽ったのです。安倍氏亡き後は高市氏、そして安倍派後継争いの萩生田氏や世耕氏がそれを引き継いでいますが、米中関係は水面下では静かで、台湾有事は“つくられた危機”なのです」(政治評論家・本澤二郎氏)
戦争屋たちに騙されちゃいけない。