東京都足立区のアパートで令和3年8月、住人の40代男性を刃物で刺したとして殺人未遂罪に問われた男性被告(23)の裁判員裁判判決公判が13日、東京地裁で開かれ、坂田威一郎裁判長は「殺人未遂を実行しておらず、共謀も認められない」として無罪を言い渡した。求刑は懲役10年。
事件を巡っては、被告と共謀したとして、男性の殺害を交流サイト(SNS)を通じて依頼した男性の妻(45)が懲役10年、依頼を受けて被告を誘った被告の友人の男(23)が懲役8年の有罪判決を受けており、友人の男については刑が確定している。
判決によると、被告は男性のアパートに友人の男と侵入。男性が抵抗したため、逃走した。男性は何者かに胸を刃物で刺され、全治1カ月の重傷を負った。
判決理由で坂田裁判長は「被告が自分を追い越して男性を刺した」とする友人の男の証言について「役割分担をしていないのに、友人の男を追い越して自ら刺しに行くのは不自然」と述べ、友人の男が刺した可能性を否定できないとした。
また、殺人の報酬が50万円と低額で、被告が依頼を「真に受けなくても不自然ではない」とし、被告は友人の男が殺人を実行する可能性を認識しておらず共謀もなかったと結論づけた。