受験環境激変も…高まる共通テストの存在感 難易度調整で良質な問題提供を

3回目の大学入学共通テストが14日、始まった。「知識偏重」との批判を受けた前身の大学入試センター試験から、思考力や判断力、表現力を問う方向にかじを切ったことにより出題傾向が大きく変化し、一部科目は難化。難関・有名私大では共通テストを合否判定に活用する動きが広がり、共通テストを利用する大学は過去最多となった。大学全入時代が到来し、受験を巡る環境が激しく変化する中、受験生にとっても大学にとっても、共通テストの存在感は高まっている。
大手予備校の河合塾によると、今回の受験では、これまで共通テストを利用してこなかった早大教育学部が、従来の入試方式に加えて共通テスト7~8科目と個別試験で合否決定する方式などを新たに導入。上智大も、これまでの共通テスト4教科のみで判定する方式に加え、今回は共通テスト3教科型も実施する。
一方、受験生の中には、難化が進んだ共通テストの受験を回避し、共通テストが不要な私大の個別試験対策に集中しようという動きも出てきた。
受験方式の多様化により、受験生は①共通テスト・個別試験の双方を対策②共通テストに注力③大学個別試験に注力-という3つのパターンから自分に合ったものを選ぶことになる。
受験パターンの増加は、受験生が自分の特性に合わせて実力を発揮する機会が与えられると捉えれば歓迎すべき流れといえる。ただ、多くの大学にとって共通テストは受験生の実力を測る重要な指標の一つ。利用大学が過去最多となっている状況下、受験生にとっても共通テストの位置づけはこれまで以上に高まっている。
課題は難易度の調整だ。科目間で過度の平均点差が生じた場合は得点調整が行われるとはいえ、昨年のように数学Ⅰ・Aの平均点が約20点下落するなど一部の突出した難化があれば、受験生間に不公平感を生み出しかねない。将来をかけて臨む受験生を考えれば、大学入試センターには公平に受験生の実力を図ることができる良質な問題を提供する責務がある。(大泉晋之助)